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検索キーワード分析の入門
第5回:集計期間単位をどう選ぶべきか

ナレッジ 検索データ
推移グラフを読み解くうえで、さらに質の高い分析を目指すために、ここでは「集計期間単位」について学びましょう。集計対象期間とは、日次・週次・月次といった、データをどの期間単位でまとめるかを指すものです。

みなさんは、推移グラフを作成したり可視化したりする際に、この集計期間単位を意識することがありますか? 特に「DS.INSIGHT」などのツールを使うときには、初期設定の単位をそのまま使ってしまうことが多いのではないでしょうか。
しかし、検索トレンドを分析するときには、どの「期間単位」でデータを集計するかが非常に重要な選択になります。
同じデータでも、日次・週次・月次という粒度の違いによって、"見えるもの"と"見えなくなるもの"が変わる場合があるのです。
なぜそのようなことが起こるのか、単位による粒度の違い、そして適切な選び方について考えてみましょう。

集計期間単位とは?

改めて整理すると、集計期間単位とは、データをどの時間的な粒度でまとめるかを示すものです。
検索推移グラフの分析で使われる主な単位には、日次・週次・月次・年次などがありますが、それぞれに向き不向きがあることを理解しておく必要があります。

たとえば、次のグラフを見てみましょう。ある検索キーワードについて、2024年の1年分を月次で集計した推移グラフです。

ある検索キーワードの月次推移(2024年)
このデータからは、どのような傾向が読み取れるでしょうか。
一見すると、3月に検索数が大きく増加し、4月にピークを迎えたあと、以降は減少に転じて、12月まで緩やかな下降トレンドが続く――そのような検索キーワードの動きに見えるかもしれません。
では次に、集計期間単位を週次日次といった、より細かな粒度に変更してみましょう。

ある検索キーワードの週次・日次推移(2024年)
いかがでしょうか。先ほどの月次推移グラフとは、かなり印象が異なったのではないでしょうか。
週次のグラフを確認すると、月次では「4月に伸びている」としか大まかに捉えられなかったものが、実際には4月の第1週に集中して検索数が増加していることがわかります。さらに、その翌週以降はほぼ定常時レベルに戻っていることも確認できます。

次に日次のデータを見てみると(上記の画像ではややわかりづらいものの)、1週間の中でも土日に検索数が大きく伸びていることが明らかになります。
また、月次や週次では見えなかった傾向として、3月から12月の間に、たびたび土日だけ検索数が跳ね上がる現象が見られることも確認できました。

このように、同じ検索キーワードであっても、集計期間単位の違いによって得られる情報量や気づきが大きく変わることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

集計期間単位の選び方

では、集計期間単位はすべて日次を選ぶのが正解なのでしょうか。
しかし必ずしも、そうとも限りません。

もしあなたが「このキーワードがもつ関心の特性をできるだけ正確に把握したい」と考えるなら、日次での集計をおすすめします。一方で、全体的なトレンドの傾向だけを把握したい場合には、週次や月次といった単位でも十分です。
むしろ日次の場合、データの変動が細かすぎて、トレンド全体として「増えているのか」「減っているのか」といった方向性をつかみにくいこともあります。

たとえば、ある検索キーワードについて「じわじわと人気が伸びてきているのかどうか」を把握したい場合、日次と月次でどの程度読み取りやすさが変わるのかを比較してみましょう。次のチャートは実際のデータをもとにしたもので、上の段が日次集計、下の段が月次集計のグラフです。

ある検索キーワードの日次・月次推移(2024年)
どちらの方が、より推移の傾向をつかみやすかったでしょうか。
日次のグラフでは、2月に急上昇があるため、「2月が最も検索数の多い月だ」と感じた方もいるかもしれません。しかし、月次のグラフを見ると、年間を通して検索数が徐々に右肩上がりで増えていることが、より明確に読み取れます。

このように、分析の目的によっては、粒度が細かすぎる単位がかえって傾向の把握を難しくする場合もありますので注意が必要です。
とはいえ、どの単位で見るべきか迷う場合には、まずは日次データから確認してみることをおすすめします。

まとめ

推移グラフの分析では、レンジの設定・集計条件・集計期間単位など、意外と多くの点に注意を払う必要があります。一見シンプルに見える推移グラフも、正しく読み解こうとすると実は奥が深いということを感じていただけたのではないでしょうか。

しかし、ここで終わりではありません。ここまでは、他のデータ分析にも応用できる一般的な考え方を取り上げてきましたが、次回は検索サービス特有のデータ特性について学んでいきたいと思います。どうぞお楽しみに。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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