検索キーワード分析の入門
第4回:集計対象期間設定の重要性を知る
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今回は、前回からの続きである「集計対象期間の設定」がいかに重要かを学んでいきましょう。
これを見て、「えび餅」という食べ物がじわじわと検索数を伸ばし、人気が出てきているのでは?と感じた方がいたら要注意です。まさに、集計対象期間の設定に潜む典型的な罠に引っかかっている可能性があります。
では、いったい何が「罠」なのでしょうか。
次に、集計対象期間を2022年1月から過去3年間に広げて見てみましょう。
「えび餅」の検索数の推移について、かなり印象が変わったのではないでしょうか。
そう、「えび餅」は毎年お正月にかけて検索数が増加するキーワードであることがわかります(一部地域では、年始に食べる文化があるようです)。
もし、最初のグラフだけがデータ分析結果として提示されていたとしたら、「えび餅」という食べ物を知らない人にとっては、最近になって人気が出てきた新しい食べ物だと誤解してしまっても不思議ではありません。
検索数の推移グラフを見る際には、このような誤解が起こりやすいため、それを防ぐ手段として「集計対象期間」の設定が極めて重要になります。
そこで推奨されるのが、「過去3年間」という集計期間です。
とはいえ、「3年間はさすがに長すぎるのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
では、なぜ1年間では不十分なのかを見ていきましょう。
結論から言えば、1年間でも必ずしも間違いではありません。
ただし、1年分のデータだけでは重要な動きやパターンを見落としてしまう可能性があるのです。
それでは先ほどの「えび餅」の例を、今度は集計対象期間を1年間に設定して確認してみましょう。
集計対象期間を1年間に設定したことによって、重要な情報が得られました。
1月以降に検索数が減少していく傾向が見えるようになったことで、「えび餅」は毎年、年末にかけて検索数が増加し、年を越えると減少する傾向があると、感覚的に理解できたのではないでしょうか。
では、やはり集計対象期間は1年間で十分なのでは?と思われた方もいるかもしれません。
しかし、ここで注意すべき別のパターンがあります。
「ブラックビート」とは、ブドウの栽培品種の一つで、毎年夏に検索数が上昇するキーワードです。
しかし、集計対象期間を2024年の1年間に設定すると、検索数のピークがちょうど期間の中央付近に現れます。
そのため、もし「ブラックビート」がブドウであることを知らなければ、2024年の夏に流行した新製品のように見えてしまう可能性があります。
このように、毎年一定の時期に検索数が上昇するキーワードであっても、集計期間の取り方によっては、その「季節性」がグラフから読み取れなくなる場合があるのです。
こうした事態を避けるためにも、検索数推移グラフの集計対象期間には「3年間」を推奨しています。
(もちろん「2年間」でも一定の傾向は見られますが、年単位での比較が「前後のみ」に限られるため、私はより傾向が把握しやすい3年間をよく使用しています。)
先ほど紹介したように、毎年決まった時期に検索数が上昇する傾向のあるキーワードを、「周期性キーワード」と呼びます。
たとえば、「ひな祭り」は毎年3月3日に検索数が上昇します。これはとてもわかりやすい例ですね。
では問題です。次の周期性キーワードはいったい何でしょうか?
答えは、「油性ペン 落とし方」です。
どうやら、新しく入園・入学した子どもがいる家庭では、持ち物に名前を書く機会が増え、それに伴って油性ペンで汚してしまうことが多いようです。
検索キーワードの中には、「こんな言葉にも季節による増減があるのか?」と思ってしまうようなものが数多くあります。
長年検索キーワード分析をしていても、長期間のデータで確認して初めて気づくことがいまだにあります。
キーワード分析において、そのキーワードが周期性を持っているかどうかを確認することは、まさに「基礎中の基礎」です。
必ずチェックする習慣を身につけておきましょう。
そしてもう一点、周期性について補足しておきます。周期性キーワードは、必ずしも「年単位」で動くとは限りません。「月単位」や「週単位」の周期を持つキーワードも多数存在しています。
たとえば、平日のみ検索数が増えるものや、土日限定で検索数が上がるものなど、より短期的なサイクルで動くキーワードもあるのです。
そのため、分析内容によっては、平日と休日を分けて考えるなど、検索数の増減パターンを考慮に入れた分析が必要になることもあります。
そしてその際、パターンを正しく把握するためには、適切な「集計対象期間」を選ぶことが重要であるという点も、ご理解いただけたかと思います。
では、さらに一歩踏み込んでみましょう。
次回は、「集計期間単位」に注目し、詳しく解説していきます。
第5回:集計期間単位をどう選ぶべきか
「集計対象期間」をおろそかにすると起こる典型的な失敗例
次のグラフを見てください。これは、2024年6月初めから12月末までの「えび餅」の検索数の推移を示したものです。
では、いったい何が「罠」なのでしょうか。
次に、集計対象期間を2022年1月から過去3年間に広げて見てみましょう。
そう、「えび餅」は毎年お正月にかけて検索数が増加するキーワードであることがわかります(一部地域では、年始に食べる文化があるようです)。
もし、最初のグラフだけがデータ分析結果として提示されていたとしたら、「えび餅」という食べ物を知らない人にとっては、最近になって人気が出てきた新しい食べ物だと誤解してしまっても不思議ではありません。
検索数の推移グラフを見る際には、このような誤解が起こりやすいため、それを防ぐ手段として「集計対象期間」の設定が極めて重要になります。
そこで推奨されるのが、「過去3年間」という集計期間です。
とはいえ、「3年間はさすがに長すぎるのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
では、なぜ1年間では不十分なのかを見ていきましょう。
結論から言えば、1年間でも必ずしも間違いではありません。
ただし、1年分のデータだけでは重要な動きやパターンを見落としてしまう可能性があるのです。
それでは先ほどの「えび餅」の例を、今度は集計対象期間を1年間に設定して確認してみましょう。
1月以降に検索数が減少していく傾向が見えるようになったことで、「えび餅」は毎年、年末にかけて検索数が増加し、年を越えると減少する傾向があると、感覚的に理解できたのではないでしょうか。
では、やはり集計対象期間は1年間で十分なのでは?と思われた方もいるかもしれません。
しかし、ここで注意すべき別のパターンがあります。
しかし、集計対象期間を2024年の1年間に設定すると、検索数のピークがちょうど期間の中央付近に現れます。
そのため、もし「ブラックビート」がブドウであることを知らなければ、2024年の夏に流行した新製品のように見えてしまう可能性があります。
このように、毎年一定の時期に検索数が上昇するキーワードであっても、集計期間の取り方によっては、その「季節性」がグラフから読み取れなくなる場合があるのです。
こうした事態を避けるためにも、検索数推移グラフの集計対象期間には「3年間」を推奨しています。
(もちろん「2年間」でも一定の傾向は見られますが、年単位での比較が「前後のみ」に限られるため、私はより傾向が把握しやすい3年間をよく使用しています。)
「周期性キーワード」について知る
ここでもう一つ、重要な話をしておきましょう。先ほど紹介したように、毎年決まった時期に検索数が上昇する傾向のあるキーワードを、「周期性キーワード」と呼びます。
たとえば、「ひな祭り」は毎年3月3日に検索数が上昇します。これはとてもわかりやすい例ですね。
では問題です。次の周期性キーワードはいったい何でしょうか?
どうやら、新しく入園・入学した子どもがいる家庭では、持ち物に名前を書く機会が増え、それに伴って油性ペンで汚してしまうことが多いようです。
検索キーワードの中には、「こんな言葉にも季節による増減があるのか?」と思ってしまうようなものが数多くあります。
長年検索キーワード分析をしていても、長期間のデータで確認して初めて気づくことがいまだにあります。
キーワード分析において、そのキーワードが周期性を持っているかどうかを確認することは、まさに「基礎中の基礎」です。
必ずチェックする習慣を身につけておきましょう。
そしてもう一点、周期性について補足しておきます。周期性キーワードは、必ずしも「年単位」で動くとは限りません。「月単位」や「週単位」の周期を持つキーワードも多数存在しています。
たとえば、平日のみ検索数が増えるものや、土日限定で検索数が上がるものなど、より短期的なサイクルで動くキーワードもあるのです。
まとめ
ここまで見てきたように、検索数の推移に一定のパターンを持つ検索キーワードは、非常に多く存在します。検索キーワード分析において、このパターンの把握は「基本中の基本」です。分析を始める際には、できる限り検索数の推移グラフを確認するようにしましょう。そしてその際、パターンを正しく把握するためには、適切な「集計対象期間」を選ぶことが重要であるという点も、ご理解いただけたかと思います。
では、さらに一歩踏み込んでみましょう。
次回は、「集計期間単位」に注目し、詳しく解説していきます。
第5回:集計期間単位をどう選ぶべきか
※本記事の内容は公開日時点の情報です。