どんな「食べ方」を検索している!?検索データから見えた季節と世代の違い
分析レポート
検索データ
最近、初めて見る食材に出会ったことはありますか?
日本国内で日常的に流通している生鮮食品は、野菜約90品目、果物約130品目、魚介類は約350品目、肉類は主に4品目に分類されるそうです。(農林水産省統計データ、東京都中央卸売市場情報)
名前は聞いたことがあっても、調理法がわからない。誰かにもらったけれど、どう扱えばいいのか迷う。そんなとき、「〇〇 食べ方」と検索することはありませんか?
今回は、Yahoo! JAPANの検索データをもとに人々の興味関心を分析できるツール「DS.INSIGHT」を活用し、「食べ方」という何気ない検索キーワードから、食材への関心や季節感などを読み解いていきます。
「つるむらさき」「人参の葉っぱ」「おかわかめ」などは、家庭菜園や道の駅、贈答などで"思いがけず手にした"食材かもしれません。そのため、調理経験が乏しく検索につながっていると考えられます。
一方で「血糖値を上げない食べ方」や「オートミール」などからは、食生活の中での健康を意識した「食べ方」検索もされることが伺えます。
【データ抽出期間】
・春(4月:2025年4月1日〜4月30日)
・夏(7月:2025年7月1日〜7月31日)
・秋(10月:2024年10月1日〜10月31日)
・冬(1月:2025年1月1日〜1月31日)
春は「つくし」「のびる」「イタドリ」など、野草や山菜の検索キーワードが上位に並びます。これらはスーパーで日常的に買うというより、採ったり、もらったりすることが多い食材と考えられます。そのため調理経験が少なく、調理の仕方が検索されやすいのかもしれません。
夏は「つるむらさき」「おかわかめ」といったネバネバ野菜や、「プラム」「すもも」「あんず」といった果物が多く検索されています。これらは暑い時期にさっぱり食べやすい食材として検索にも現れてきたのかもしれません。
また、「冷凍うなぎ」「市販のうなぎ」「サザエ」といったスタミナ食材も同時に検索されています。うなぎは「土用の丑の日」、サザエはバーベキューや行楽、さらには海辺へ出かける機会とも関連してそうです。またうなぎについては「美味しい食べ方」といった検索からは、既製品を家庭で工夫して食べようとする様子もうかがえます。
秋のランキングを見ると、果物が多く並んでいるのが特徴です。
「いちじく」「あけび」「シャインマスカット」「ざくろ」など、旬の果物が上位に入りました。
一方で、「ローゼル」「マコモダケ」といった日常のスーパーではあまり見かけない食材がランクインしています。
「ローゼル」はハイビスカスの一種で、ジャムやハーブティーに使われることがあり、沖縄や鹿児島などで栽培されることが多い植物のようです。検索でも「食べ方」以外に「ローゼル ジャム」「ローゼル お茶」等があり、どのように調理するのか調べている様子が伺えます。
「マコモダケ」も収穫時期が短い季節食材で、スーパーなどではなく道の駅・地域の特産物として出回ることが多そうで、馴染みのない野菜で調理方法などを検索しているのかもしれません。
冬には「鏡餅」「だいだい」といった年末年始の飾り物や縁起物に使われる食材が上位に入ってきています。「鏡餅」は鏡開きもあり、その際の食べ方が検索されているのかもしれません。
また、「キンカン」「ばんぺいゆ」「ヤーコン」などの果物や根菜、「なまこ」「牡蠣」「タラバガニ」といった海産物も並びます。
これらは冬に流通が増える食材で、家庭に届いた際に調理方法が調べられていると考えられます。
世代別ランキングを比べると、まず目立つのは共通して調べられている食材が多いことです。
「いちじく」「つるむらさき」「オートミール」「海ぶどう」「血糖値を上げない食べ方」は、どの世代でも上位に入りやすく、果物・野菜・健康に関わる検索が幅広く行われているようです。
一方で、いくつか世代ごとの特徴も見えてきます。
20代では「信玄餅」「ひつまぶし」「恵方巻き」といったご当地食べ物、季節の食べ物等、旅行やイベントをきっかけに調べることがあるのかもしれません。TOP10で「シャウエッセン」等の商品名があったのも20代が唯一でした。
30代には「コストコ アサイー」がランクインしており、特定の店舗やブランドにひもづいた検索がありました。
60代では「キンカン」「ヤーコン」「カリン」といった冬に多く流通する果物や地域性のある食材が目立ち、贈答や家庭菜園などで手にする場面があるのかもしれません。
季節ごとに検索される食材の特徴があり、世代別に見ると共通して調べられる食材以外にも、各年代特有の検索傾向も見られました。こうした検索データを読み解くことで、流通量や市場シェアでは見えにくい「暮らしの中で出会う食材」が浮かび上がってきます。
今後もYahoo! JAPANの検索データを活用して、様々な生活者の声を拾っていきたいと思います。
日本国内で日常的に流通している生鮮食品は、野菜約90品目、果物約130品目、魚介類は約350品目、肉類は主に4品目に分類されるそうです。(農林水産省統計データ、東京都中央卸売市場情報)
名前は聞いたことがあっても、調理法がわからない。誰かにもらったけれど、どう扱えばいいのか迷う。そんなとき、「〇〇 食べ方」と検索することはありませんか?
今回は、Yahoo! JAPANの検索データをもとに人々の興味関心を分析できるツール「DS.INSIGHT」を活用し、「食べ方」という何気ない検索キーワードから、食材への関心や季節感などを読み解いていきます。
「食べ方」と一緒に検索されたキーワードTOP10
まずは1年間を通して、多く検索された「食べ方」と一緒に検索されたキーワードから見ていきます。
一方で「血糖値を上げない食べ方」や「オートミール」などからは、食生活の中での健康を意識した「食べ方」検索もされることが伺えます。
季節で変わる「食べ方」検索
続いて、季節ごとの検索の違いはあるのでしょうか。四季による違いを見ていきたいと思います。なるべく新しいデータを見るため、各季節の抽出期間を下記としました。【データ抽出期間】
・春(4月:2025年4月1日〜4月30日)
・夏(7月:2025年7月1日〜7月31日)
・秋(10月:2024年10月1日〜10月31日)
・冬(1月:2025年1月1日〜1月31日)
春(4月):山菜や葉物が検索上位に
芽吹きの季節、春(4月)は、下記の検索キーワードが並んでいます。
夏(7月):清涼感とスタミナ食材の検索
続いて夏を見てみると、春とは異なる特徴が表れます。
また、「冷凍うなぎ」「市販のうなぎ」「サザエ」といったスタミナ食材も同時に検索されています。うなぎは「土用の丑の日」、サザエはバーベキューや行楽、さらには海辺へ出かける機会とも関連してそうです。またうなぎについては「美味しい食べ方」といった検索からは、既製品を家庭で工夫して食べようとする様子もうかがえます。
秋(10月):果物と"珍しい食材"が並ぶ
夏が過ぎて秋になると、検索される食材にもまた変化がありそうです。
「いちじく」「あけび」「シャインマスカット」「ざくろ」など、旬の果物が上位に入りました。
一方で、「ローゼル」「マコモダケ」といった日常のスーパーではあまり見かけない食材がランクインしています。
「ローゼル」はハイビスカスの一種で、ジャムやハーブティーに使われることがあり、沖縄や鹿児島などで栽培されることが多い植物のようです。検索でも「食べ方」以外に「ローゼル ジャム」「ローゼル お茶」等があり、どのように調理するのか調べている様子が伺えます。
「マコモダケ」も収穫時期が短い季節食材で、スーパーなどではなく道の駅・地域の特産物として出回ることが多そうで、馴染みのない野菜で調理方法などを検索しているのかもしれません。
冬(1月):年末年始と季節の食材
では最後に冬の「食べ方」の検索動向を見てみましょう。
また、「キンカン」「ばんぺいゆ」「ヤーコン」などの果物や根菜、「なまこ」「牡蠣」「タラバガニ」といった海産物も並びます。
これらは冬に流通が増える食材で、家庭に届いた際に調理方法が調べられていると考えられます。
世代別に見る「食べ方」検索
さて、季節ごとの違いに加えて、「食べ方」検索は、世代による差もあるのでしょうか。20代~60代の各年代の「食べ方」と一緒に検索されたキーワードのランキングを見てみたいと思います。
「いちじく」「つるむらさき」「オートミール」「海ぶどう」「血糖値を上げない食べ方」は、どの世代でも上位に入りやすく、果物・野菜・健康に関わる検索が幅広く行われているようです。
一方で、いくつか世代ごとの特徴も見えてきます。
20代では「信玄餅」「ひつまぶし」「恵方巻き」といったご当地食べ物、季節の食べ物等、旅行やイベントをきっかけに調べることがあるのかもしれません。TOP10で「シャウエッセン」等の商品名があったのも20代が唯一でした。
30代には「コストコ アサイー」がランクインしており、特定の店舗やブランドにひもづいた検索がありました。
60代では「キンカン」「ヤーコン」「カリン」といった冬に多く流通する果物や地域性のある食材が目立ち、贈答や家庭菜園などで手にする場面があるのかもしれません。
まとめ
今回のデータから、「食べ方」の検索は、日々の食卓でのちょっとした変化や関心の現れ、工夫などが見えてきました。季節ごとに検索される食材の特徴があり、世代別に見ると共通して調べられる食材以外にも、各年代特有の検索傾向も見られました。こうした検索データを読み解くことで、流通量や市場シェアでは見えにくい「暮らしの中で出会う食材」が浮かび上がってきます。
今後もYahoo! JAPANの検索データを活用して、様々な生活者の声を拾っていきたいと思います。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。