DS.INSIGHTがわかる!
資料ダウンロード

検索キーワード分析の入門
第3回:検索数推移グラフの基本を知る

ナレッジ 検索データ
[アナリスト:池宮 伸次]

今回は、検索キーワード分析における「基本中の基本」とも言える、検索数推移グラフについて学んでいきましょう。

推移グラフって、推移を見ればいいだけじゃないの?

検索数推移グラフは、検索キーワード分析において非常にメジャーな可視化手法です。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
でも、そのグラフを「数値が上がっているか下がっているかを見るだけのもの」だと思っていませんか?
実は、検索数推移グラフには多くの情報と重要な意味が込められており、それを正しく読み取れるかどうかは、見る人によって大きな差が生まれます。つまり、同じグラフを見ていても、解釈や得られる示唆が異なることがあるのです。

推移グラフの読み解きなんて簡単!と思ってませんか?
そこで、改めて検索数の推移グラフと向き合っていただくために、今回の章をご用意しました。ぜひ、基本をしっかりと押さえて、より質の高い分析ができるよう一緒に学んでいきましょう。

検索データ分析における推移グラフとは?

それでは、基本中の基本から見ていきましょう。そもそも検索データ分析における推移グラフとはどのようなものでしょうか?基本的には、以下のような構成になります。

  • ・横軸には、任意の時間軸(例:日別、週別、月別などの集計対象期間・粒度)
  • ・縦軸には、検索データ(検索数、ページビュー数など)
  • ・グラフの形式としては、折れ線グラフを用いるのが一般的

このように、検索数の変化を時間軸に沿って視覚的に把握することができるのが、推移グラフの最大の特長です。では、検索キーワード分析において、この推移グラフは何のために使われるのでしょうか?

それは、検索数の「変化」を把握するためです。

一見すると単純に見えるこの波形の変化は、実はさまざまな価値を私たちにもたらしてくれます。関心の高まりや減少、トレンドの動向、急激な上昇といった変化に加えて、年間を通じた周期性やパターン、イレギュラーな動き、さらには検索ロジックの変更や他機能の影響といった要素まで、非常に多岐にわたります。

つまり、検索数の推移グラフを正しく読み解く力を持つことは、検索データが本来持つ価値を最大限に引き出す鍵となるのです。

検索数の推移グラフは、どこから見るの?クイズ!

それでは、実際に検索数の推移グラフを見るとき、どこから着目すればよいのでしょうか?まずその"入り口"を見つけるところから始めましょう。

それではここでクイズです。
第1回目でも紹介した、ある検索数の推移グラフがあります。あなたなら、このグラフのどこに最初に注目しますか?

「キーワードA」の検索人数推移(月次)
みなさんは、どこが気になりましたか?
もちろん、「どこから見るべきか」には感覚的な要素もあり、絶対的なルールや正解の教科書があるわけではありません。ですが、ここではあくまで一つの例として、「私であればここから見る」という視点でお話ししていきます。
実際、私がこのような検索数の推移グラフを読むとき、最初に注目するのはこのポイントです。

私の場合は、横軸(集計対象期間)からチェック
あくまで「私の場合は」という前提でお話ししますが、検索数の推移グラフを見る際、私がまず最初に注目するのは、横軸に示された集計対象期間(レンジ)です。
先ほど推移グラフは変化を見るため、と話をしたのに、なぜチャートそのものではなく、横軸に目が行くのかというと、横軸の集計対象期間とまとめ上げの単位(たとえば日別・週別・月別など)は、検索数の推移を考察するうえで非常に重要な要素だからです。
もちろん縦軸も重要ですが、今回は基本的に検索分析の話であるため縦軸は「検索人数」などの検索ボリュームが置かれることが一般的なので、最初のチェックポイントとしてはそれほど重視していませんが、どんなグラフを見る時でも「軸の構成を確認する」ことは、極めて基本的かつ大切な姿勢だと考えています。
この「横軸の重要性」については、後ほど詳しく解説するとして、次にチェックすべきはどこでしょうか?
「次こそ中のデータを見よう」と思いがちですが、その前に、ぜひ確認しておきたい重要なポイントがあります。
それが、推移グラフの周りにある集計条件です。

グラフは外側から見るのが鉄則。重要な情報はそこにある
通常、グラフのタイトルやキャプションには、最低限の集計条件が記載されていることが多くあります。ここでいうと「検索人数を月次で集計している」といった情報ですね。こうした基本情報は、必ず最初に確認する習慣をつけましょう。
また、グラフ本体では表現しきれない補足情報、たとえば分析に必要な前提条件やフィルタリングの詳細が、グラフの枠外に「※」付きで記載されていることも少なくありません。このような情報は見落とされがちですが、読み解きにおいては欠かすことのできない重要な手がかりとなります。まずそれをしっかり頭に入れたうえで、グラフの中身に目を向けるようにしましょう。

このように、検索数推移グラフを見る際には、「まず外側から確認する」ことが鉄則です。
これは検索データに限らず、あらゆる種類のデータ可視化に共通する基本的な姿勢でもあります。つまり、正しくデータを読み解くためには、「前提条件」や「補足情報」といったヒントを最初に確認しておくことが不可欠なのです。
このステップを意識するだけで、グラフの解釈精度や分析の深さは格段に向上します。

集計対象期間がなぜ大切なのか?

では、なぜ私が最初に「集計対象期間」に注目するのか?
その理由は、この集計期間が検索データの分析結果に与える影響が非常に大きいからです。
もし、あなたが、「いやいや、直近1ヶ月でも3ヶ月でも、それほど分析結果は変わらないんじゃないの? 期間設定なんて適当でいいでしょ?」
と思っているとしたら、今すぐその考えを改めてください。

それほどまでに、検索キーワード分析において「集計対象期間」は極めて重要な要素なのです。むしろ、最初にこの設定を正しく行えるかどうかが、その後の分析全体の精度や解釈の方向性を大きく左右すると言っても過言ではありません。

では次回、なぜ集計期間の設定がそこまで重要なのかについて、具体的な事例を交えながら一緒に学んでいきましょう。

第4回:集計対象期間設定の重要性を知る
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
簡単操作でさまざまな業界の消費者ニーズが分かる、使える
デスクリサーチツール DS.INSIGHT
LINEヤフーの行動ビックデータから、簡単に消費者のニーズが分析・可視化できるデスクリサーチツールです。
DS.INSIGHTの画像
お気軽にお問い合わせください
調査分析に関するセミナー・イベントや、サービスへのお問い合わせを無料で実施しております。