消費者理解を深めるためのデータ活用：「検索」「SNS」「アンケート」の特徴比較

マーケティング施策や商品開発において、消費者を理解するためにはデータ活用は欠かせません。消費者の行動や心理を客観的かつ正確に捉えるため、推測や主観に頼らないよう適切なデータの活用が重要です。
LINEヤフーのビッグデータを分析できるツール「DS.INSIGHT」で主に使用するデータは「検索」データですが、他にも消費者理解のためよく使われるデータとして「SNS」「アンケート」データなどがあります。「検索」「SNS」「アンケート」といったデータは、それぞれ異なる視点で消費者の動きを捉えられるため、適切な使い分けや組み合わせて活用することで、より多面的な消費者像を浮き彫りにすることができます。各データの特性を理解し、適切に活用することがマーケティング施策や商品開発の成功に繋がります。
ここでは、それぞれのデータの特徴を比較してみました。

検索データとは？

検索データは消費者がウェブ上で情報を探す際に入力するキーワードや検索行動を記録したものです。匿名性が高く、消費者が実際に抱えている興味・関心やニーズをリアルタイム且つ直接的に捉えることができます。さらに、幅広いユーザー層の検索行動意図やシーズナリティの影響を把握することにも優れており、具体的なユーザーのインサイトや市場の動向、トレンドを迅速に捉えることができます。

SNSデータとは？

SNSデータは主にX（旧Twitter）やInstagramなどのソーシャルメディア上でユーザーが発信する情報や感情、口コミを指します。消費者の生の感情や評価が色濃く表れるため、ブランドへの共感度や口コミによる拡散状況などをリアルタイムに分析可能です。また、トレンドや流行の兆候をつかむことができるだけでなく、画像や動画といったビジュアル情報も豊富なため、消費者心理をより直感的に理解することができます。

アンケートデータとは？

アンケートデータは、消費者に特定の質問を設計・実施して得られる意識や行動に関するデータです。詳細かつ深掘りされた質問によって、消費者の行動や心理背景を明確に把握できるほか、年齢や性別などの属性データと連動させた精緻な分析が可能です。ただし、調査設計や運用には一定の手間とコストがかかるため、戦略的に重要なテーマにおいて集中的に活用することが推奨されます。

まとめと活用ポイント

データは、それぞれが持つ特徴が異なるからこそ、目的に応じて適切に使い分けることが重要です。また、様々なデータを組み合わせることで、より精度高く包括的な消費者理解が可能になります。例えば、「新しいニーズの兆しをいち早く捉えたい」のであれば検索データを活用し、「ターゲット層の感情の動きや口コミ効果を見たい」ならSNSデータ、「ブランド認知や商品の評価を明確に把握したい」場合にはアンケートデータが適しています。
多様なデータを適切に組み合わせることで、より深いインサイトの発見につながります。