導入事例:シャープ株式会社
「たけのこ見たらエアコン試運転」
自社データと検索データを掛け合わせて発見したキーワードが人々の行動を変えた!
ニーズ調査
効果検証
機械

- シャープ株式会社
- 左:Smart Life事業統括部AIoT事業推進部 吉田圭祐様
右:社長室ブランド戦略推進部 大嶋ひとみ様
ニーズ調査
効果検証
機械
目次
導入企業様について
シャープ株式会社は、家電などを製造・販売する電気機器メーカーです。
今回は、社長室ブランド戦略推進部の大嶋ひとみ様と、Smart Life事業統括部AIoT事業推進部の吉田圭祐様にお話を伺いました。
今回は、社長室ブランド戦略推進部の大嶋ひとみ様と、Smart Life事業統括部AIoT事業推進部の吉田圭祐様にお話を伺いました。
会社全体のブランド向上を目指し、社内・社外を問わず積極的に連携
- お二人が担当されている業務について教えてください。
吉田様:
私はAIoT(「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」と「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」を組み合わせた言葉)を推進している部署でエアコンに関するIoTの担当をしており、データ解析やアプリの開発運用、データをリアルタイムに整理する方法の検討などを行っています。
大嶋様:
私の所属は社長室ブランド戦略推進部で、会社全体のブランドを高めることがミッションです。
業務内容としては、記事広告を出したりTikTokを立ち上げたりしたほか、自部署だけではなく強い発信力のあるXやInstagramを担当している他部署と連携したり、さらにはより大きなムーブメントを起こすために他社とのコラボ展開も積極的に行ったりしています。
今年からnoteをきっかけに出会う企業の方も増え、特に有隣堂様のYouTubeチャンネルとのコラボは話題になりました。
(YouTube【超進化】電卓の世界 ~有隣堂しか知らない世界272〜)
吉田様:
私はAIoT(「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」と「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」を組み合わせた言葉)を推進している部署でエアコンに関するIoTの担当をしており、データ解析やアプリの開発運用、データをリアルタイムに整理する方法の検討などを行っています。
大嶋様:
私の所属は社長室ブランド戦略推進部で、会社全体のブランドを高めることがミッションです。
業務内容としては、記事広告を出したりTikTokを立ち上げたりしたほか、自部署だけではなく強い発信力のあるXやInstagramを担当している他部署と連携したり、さらにはより大きなムーブメントを起こすために他社とのコラボ展開も積極的に行ったりしています。
今年からnoteをきっかけに出会う企業の方も増え、特に有隣堂様のYouTubeチャンネルとのコラボは話題になりました。
(YouTube【超進化】電卓の世界 ~有隣堂しか知らない世界272〜)
導入のきっかけ
他部署から勧められて。分析内容に手ごたえを実感
- DS.INSIGHTを使うようになったきっかけは何ですか?
大嶋様:
社内では、たとえば「ホットクック」でいま何が作られているかといった調理データを分析して「おすすめ」に出したりしているのですが、その部署が中心となってDS.INSIGHTを社内に広めていました。その担当者と定期的に情報交換をしていることもあり、紹介されて使い始めたのがきっかけです。
- 実際に使ってみていかがでしたか?
大嶋様:
今まで使っていたツールでは社外にも出ているような大きなデータしか拾えていなかったのですが、もっと細かく分析できるということがわかりました。
コミュニケーションをするうえでも、ユーザーのインサイトがわからないと切り口を見つけられないので、これは使えそうだと手ごたえを感じました。
吉田様:
操作が簡単だし、いろいろな要素を見つけられるのがすごくおもしろいと思いました。社内で自分がDS.INSIGHTについて解説することもあります。技術部門にはなかなか展開できていないのですが、みんな学習しながら使っています。
大嶋様:
社内では、たとえば「ホットクック」でいま何が作られているかといった調理データを分析して「おすすめ」に出したりしているのですが、その部署が中心となってDS.INSIGHTを社内に広めていました。その担当者と定期的に情報交換をしていることもあり、紹介されて使い始めたのがきっかけです。
- 実際に使ってみていかがでしたか?
大嶋様:
今まで使っていたツールでは社外にも出ているような大きなデータしか拾えていなかったのですが、もっと細かく分析できるということがわかりました。
コミュニケーションをするうえでも、ユーザーのインサイトがわからないと切り口を見つけられないので、これは使えそうだと手ごたえを感じました。
吉田様:
操作が簡単だし、いろいろな要素を見つけられるのがすごくおもしろいと思いました。社内で自分がDS.INSIGHTについて解説することもあります。技術部門にはなかなか展開できていないのですが、みんな学習しながら使っています。
活用方法
早めのエアコン試運転を勧めるためにデータを活用
- 今回のプレスリリースへの活用について教えてください。
シャープ株式会社プレスリリース
夏に向けたエアコン試運転実施率はわずか9%(※1)。
「たけのこ」をよく見かけるようになったら、エアコン試運転を推奨
ヤフー・データソリューションnote
データが示す、4月なのにエアコンを動かしたほうがよい理由
大嶋様:
きっかけとしては、関連会社のシャープマーケティングジャパンがエアコンクリーニングを行っていると知ったことでした。エアコンを作っているメーカーが、作って終わりではなくクリーニングや管理もしていると。
私たちが発信する内容はどうしても縦割りになってしまうことが多いのですが、会社全体で発信できることは何かと考えたとき、社会課題である夏場の暑さ、そしてエアコンが壊れると命の危険もあるということをきちんと啓蒙しつつ、会社としての姿勢を伝えていきたい、というところからスタートしました。
エアコンクリーニングをなぜしているのかということを深掘りし、故障を早めに見つけるメリットをきちんと訴求し、根底にあるものをアピールしていこうと思いました。
- LINEヤフーに声をかけてくださったきっかけは何でしたか?
大嶋様:
「試運転を早くしよう、危ないから」と言うだけでは訴求力が弱いので、引きのある言葉や季節感のある、身近なワードを使いたいと思っていました。社内にも分析データはありますが世の中のインサイトや動きはないので、一緒に分析ができ、かつ話題が広がりそう、いつも使っているDS.INSIGHTのデータも活用できるということで相談させていただきました。
さらに、そこに社内のIoTのデータも重ね合わせることができるかもしれないということで、エアコンを担当している部署と連携することになったんです。
吉田様:
私たちも以前から、外とのつながりをどうやって持ったらよいかという課題を感じていました。
エアコンのデータ、たとえば運転方法、室温・湿度、外気温、センサーによるエアコンやまわりの状態はわかっても、使っている方々の関心のようなところはわからなかったので、情報をDS.INSIGHTに照らし合わせてみたらおもしろいのでやってみようということになりました。
- 実際に分析してみていかがでしたか?
大嶋様:
データに基づいて記事を書く必要があるため、こちらから何かを指定することはできないのですが、データを見て仮説をたくさん出したためにその切り口ごとに全部分析することになりました。試運転の日までにプレスリリースを出す必要があったのですが、データだけではなくページごとにしっかりまとめを入れてもらったりしたことに助けられました。
吉田様:
データ分析は細かい検証作業が多く大変でしたが、面白かったしワクワクしました!熱くて明るい思いがあって。問題を解決する感じがよかったです。
大嶋様:
お客様相談センターにエアコン故障の実際の件数や月別の問い合わせ数を出してもらい、相関のあるキーワードを探っていったのですが、「エアコン 故障」と「そうめん」の検索推移がぴったりすぎて感動しました!

夏に向けたエアコン試運転実施率はわずか9%(※1)。
「たけのこ」をよく見かけるようになったら、エアコン試運転を推奨
ヤフー・データソリューションnote
データが示す、4月なのにエアコンを動かしたほうがよい理由
大嶋様:
きっかけとしては、関連会社のシャープマーケティングジャパンがエアコンクリーニングを行っていると知ったことでした。エアコンを作っているメーカーが、作って終わりではなくクリーニングや管理もしていると。
私たちが発信する内容はどうしても縦割りになってしまうことが多いのですが、会社全体で発信できることは何かと考えたとき、社会課題である夏場の暑さ、そしてエアコンが壊れると命の危険もあるということをきちんと啓蒙しつつ、会社としての姿勢を伝えていきたい、というところからスタートしました。
エアコンクリーニングをなぜしているのかということを深掘りし、故障を早めに見つけるメリットをきちんと訴求し、根底にあるものをアピールしていこうと思いました。
- LINEヤフーに声をかけてくださったきっかけは何でしたか?
大嶋様:
「試運転を早くしよう、危ないから」と言うだけでは訴求力が弱いので、引きのある言葉や季節感のある、身近なワードを使いたいと思っていました。社内にも分析データはありますが世の中のインサイトや動きはないので、一緒に分析ができ、かつ話題が広がりそう、いつも使っているDS.INSIGHTのデータも活用できるということで相談させていただきました。
さらに、そこに社内のIoTのデータも重ね合わせることができるかもしれないということで、エアコンを担当している部署と連携することになったんです。
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私たちも以前から、外とのつながりをどうやって持ったらよいかという課題を感じていました。
エアコンのデータ、たとえば運転方法、室温・湿度、外気温、センサーによるエアコンやまわりの状態はわかっても、使っている方々の関心のようなところはわからなかったので、情報をDS.INSIGHTに照らし合わせてみたらおもしろいのでやってみようということになりました。
- 実際に分析してみていかがでしたか?
大嶋様:
データに基づいて記事を書く必要があるため、こちらから何かを指定することはできないのですが、データを見て仮説をたくさん出したためにその切り口ごとに全部分析することになりました。試運転の日までにプレスリリースを出す必要があったのですが、データだけではなくページごとにしっかりまとめを入れてもらったりしたことに助けられました。
吉田様:
データ分析は細かい検証作業が多く大変でしたが、面白かったしワクワクしました!熱くて明るい思いがあって。問題を解決する感じがよかったです。
大嶋様:
お客様相談センターにエアコン故障の実際の件数や月別の問い合わせ数を出してもらい、相関のあるキーワードを探っていったのですが、「エアコン 故障」と「そうめん」の検索推移がぴったりすぎて感動しました!
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出典:DS.INSIGHT【エアコン 故障】【そうめん】【たけのこ】の検索推移
(2020/4〜2024/3)グラフは正規化済み
(2020/4〜2024/3)グラフは正規化済み
効果/成果
4月のエアコン試運転が前年比194.56%!目に見える大きな成果を生み出す
- プレスリリース発表後の反響はいかがでしたか?
大嶋様:
当初の目標としては、一極集中していたエアコンクリーニングをなだらかにし、かつ全体的に前年よりも上振れさせたいということだったのですが、本当にそのとおりになりました!
これまではゴールデンウィーク明けぐらいにかなり問い合わせが増え数日お待たせしてしまうお客様がいらっしゃったところを、4月にプレスリリースを出した後から試運転台数が伸び、4月から6月度の前年度を比較すると、全体は+1.12%。4月に限定すると+94.56%で、4月にこれだけ増えたというのは大きな成果でした。
吉田様:
実際のエアコンデータを見てもはっきり効果が出ていて、これまでは試運転が見られる台数はとても少なかったのが、前年度の倍近くになっていました。プロモーションの効果が抜群に出ています。DS.INSIGHTも見たのですが、これまでは4月に「試運転」の検索数がなかったのにたくさん出ていました。
「そんなのあるんだ」で終わらず、関心を持つと行動に移してくれるということを実感し、やってよかったと思いました。
大嶋様:
当初の目標としては、一極集中していたエアコンクリーニングをなだらかにし、かつ全体的に前年よりも上振れさせたいということだったのですが、本当にそのとおりになりました!
これまではゴールデンウィーク明けぐらいにかなり問い合わせが増え数日お待たせしてしまうお客様がいらっしゃったところを、4月にプレスリリースを出した後から試運転台数が伸び、4月から6月度の前年度を比較すると、全体は+1.12%。4月に限定すると+94.56%で、4月にこれだけ増えたというのは大きな成果でした。
吉田様:
実際のエアコンデータを見てもはっきり効果が出ていて、これまでは試運転が見られる台数はとても少なかったのが、前年度の倍近くになっていました。プロモーションの効果が抜群に出ています。DS.INSIGHTも見たのですが、これまでは4月に「試運転」の検索数がなかったのにたくさん出ていました。
「そんなのあるんだ」で終わらず、関心を持つと行動に移してくれるということを実感し、やってよかったと思いました。
今後の展望
家電データが持つ強みを活かし、可能性を広げたい
- 今後、データを使ってやってみたいことはありますか?
吉田様:
試運転関連については引き続きやっていきたいと思っています。気温に相関してエアコンの試運転件数は多くなりますが、実は関東の方に比べると近畿地方や四国地方での試運転は少なく、地域性もあるのではないかと。
大嶋様:
エアコン試運転率の1位が北海道でした。地域に合わせた発信がもっとできればおもしろいですよね。たとえば静岡なら「茶摘みが始まったら試運転」など、地域ごとに合わせて特産物を出すなど。試運転件数が低い所に限定してアピールしていってもよいですし。
また、今回のような取り組みを「花粉」と「空気清浄機」でもできるのではと思っています。花粉対策として空気清浄機の活用は欠かせないものになっていますので、日本各地で花粉濃度が何%で今がマックスといったことをからめて訴求できないかと。

花粉が飛び始める前に空気清浄機を修理してください、といったお知らせができるかもしれないですね。ぜひやりましょう!
大嶋様:
それと、能登で震災が起こった際、交通手段が断たれ電気が通っていない場所を把握するのにとても時間がかかったのですが、シャープのAIoT家電がシャープクラウドと接続できているか否かで、どの地域が通電している・いないを示すことができ、それがかなり役立ったんです。
何かを準備するというわけではなく、いつも使っている家電が防災にもつながる。家電を使って快適な暮らしをしていただくのはもちろんなのですが、データを使うことでそれ以上のよい活用の仕方がないか、可能性は広がりそうだと思っています。
- 貴重なお話をありがとうございました!
※本記事の内容は公開日時点の情報です。