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導入事例:農林水産省

導入事例

農林水産省

生活者のライフスタイルに寄り添う「食」の政策を目指して ~農林水産省におけるデータ活用とは~

トレンド把握 ニーズ調査 データ裏付け

国民の食生活と関係の深い農林水産省では、DS.INSIGHTをはじめ、さまざまなデータを政策・提案に活用する取り組みを進めていらっしゃいます。今回は農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部 外食・食文化課 食文化室 課長補佐 縄田智子様、同室 桂武弘様、山口昂人様にお話を伺いました。

左から、山口昂人様、桂武弘様、縄田智子様

「和食文化の保護と継承」のため、食品産業界のニーズをデータで掴む

- 食文化室の業務内容について教えてください

一言でいうと「和食文化の保護と継承」です。2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、国として和食文化を将来的に継承していくために、2015年に和食室(現 食文化室)が正式に組織として誕生しました。

食文化室の具体的な業務は主に四つあります。一つ目は次世代の人たちに伝統的な郷土料理をお伝えすることで、今年度中に郷土料理のデータベースが完成します。二つ目は人材育成で、地域で和食文化普及活動を行っていただける方をリーダーとして育成しています。三つ目は、インバウンド政策として、農林水産業や食文化、農泊の魅力を農山漁村に来た方に体験してもらおうと、重点地域を農林水産大臣が認定する『SAVOR JAPAN』という制度を2016年に立ち上げました。四つ目は身近、手軽に健康的な和食を食べる機会を増やしていただきたいという目的で、官民共同の『Let's!和ごはんプロジェクト』という事業を2018年から進めています。

- 食文化室でのデータ活用について教えてください

数年くらい前から行政機関はこれまで以上にEBPM(Evidence-based policy making /証拠に基づく政策立案)を求められるようになりました。定量的なデータ、エビデンスに基づく政策企画立案が重要になってきています。食文化室では農林水産省が独自に実施する調査や各府省が収集する統計データを用いて大きなトレンドを見つけるようにしています。
最近では、DS.INSIGHTに加え、企業の無料オンラインセミナーなどいろいろな情報が以前より得られやすくなったので、こういったものもいくつか組み合わせながら、消費者のリアルな食生活をつかむように努めています。

官民共同プロジェクトでDS.INSIGHTを活用

- DS.INSIGHTを利用された『Let's!和ごはんプロジェクト』について教えてください

ユネスコ無形文化遺産登録から5年を契機として、和食をもっと身近、手軽に感じて楽しんでいただきたいという思いから、2018年に始まった官民共同プロジェクトになります。
この半世紀という短い期間の間に日本人の食を取り巻く環境は大きく変化しました。食の欧米化が進み、ライフスタイルも多様化しました。地域の伝統的な食文化という観点から見ますと、次世代へのバトンの受け渡しが難しくなっています。
最近の調査結果によれば、8割の人たちが「和食が好き」と答えるのですが、調理が難しい、準備や片付けが面倒、堅苦しいといったイメージも少なからずあります。
和食に対する心理面のハードルが高まっているのではないかという問題意識から、このプロジェクトでは、あえて和食とは言わず、「和ごはん」というやわらかい言い方にしています。
もう少しカジュアルさ、気軽さを持って和ごはんを楽しんでほしいという共通認識のもと、和食普及を進めてくださっている企業や団体の皆さまと活動を進めています。

- DS.INSIGHT活用のきっかけを教えてください

『Let's!和ごはんプロジェクト 』の発足から3年、プロジェクトメンバーの企業や団体の皆さまには和ごはん普及の取り組みを積極的に行っていただきました。一方、農林水産省からメンバーの皆さまへの情報提供や意見交換が少し足りなかったという反省がありました。そこで、改めてこのプロジェクトを活性化し、メンバーの皆さまとのコミュニケーションを密にしていきたいと思い、2021年10月にセミナーを開催することにしました。
ちょうどタイミング良く、農水省のデジタル戦略グループから、DS.INSIGHTを利用してみませんかというお声がけをいただき、これを使わない手はないなと思って、それまでDS.INSIGHTを全く触ったこともありませんでしたが、これでセミナーをやろうと決めて進めました。

『Let's!和ごはんプロジェクト オンラインセミナー 2021秋』レポート表紙

- DS.INSIGHT活用について具体的に教えてください

このタイミングでのオンラインセミナーということで、コロナ禍の前後での食生活、食行動意識をDS.INSIGHTで把握したいと考えました。

まずはこの1年で検索ボリュームが上昇した食に関係するキーワードを洗い出すため、「食」という言葉を含む上昇キーワードランキングを調べました。すると、「ワクチン接種後 食事」、「熱がある時の食事」など2年前だと出てこないようなコロナ禍の状況を大きく反映した検索キーワードがすぐに出てきて、私たちもなるほどと思いました。

『Let's!和ごはんプロジェクト オンラインセミナー 2021秋』レポートより

また、「節約レシピ」「簡単レシピ」「時短レシピ」など、レシピ関連の検索キーワードの検索推移からピークを調べたところ、「簡単レシピ」が2020年5月の第1回緊急事態宣言のタイミングで大きなピークを作っており、平常時の4倍以上伸びていました。
アンケート結果などでも、コロナ禍の影響で家での調理機会が増えていることは把握していたのですが、今までのライフスタイルを大きく揺るがすステイホーム期間初期には家の中で簡単に作れる「簡単レシピ」が求められたことが、DS.INSIGHTの結果からも推察できました。
一方、長期的に見るとその後は「簡単レシピ」より「節約レシピ」の検索ボリュームが増えてきており、今の生活実態を反映している結果として見ています。

『Let's!和ごはんプロジェクト オンラインセミナー 2021秋』レポートより

「和食」だけじゃない! いろいろな切り口から生活者の「食」のトレンドを知る

- 和食から少し離れた切り口からも分析された経緯について教えてください

今のコロナ禍における食生活を踏まえたうえで、プロジェクトのテーマである、和食を手軽に楽しんでいただくことに直結する検索キーワードを見つけたかったのですが、そう簡単にはたどり着けませんでした。

そのような時にヤフー様から、一度和食から離れていろいろな切り口から見たほうがいいですよ、とアドバイスを受け、それぞれ興味のあるところから和食とのつながりを調べて持ち寄り、ブレストをすることにしました。
ブレストでは、1人の気づきや調査に対して他の2人がコメントをして議論が転がり、最終的に面白いテーマが出てきたと記憶しています。
例えば、食生活をテーマにしたブレストでは、世代間で検索キーワードが異なるという発見があり、レポートにしました。

『Let's!和ごはんプロジェクト オンラインセミナー 2021秋』レポートより

また、健康テーマから「ダイエット」という検索キーワードを調査した時は、データを大きな視点で見るようにし、時系列キーワードの関連度も高いものだけでなく、低いものから中くらいのものまで見て、インサイトを探しました。

『Let's!和ごはんプロジェクト オンラインセミナー 2021秋』レポートより

- DS.INSIGHT分析結果に加え、意識調査結果も使われていますが、これらについて教えてください

DS.INSIGHTのデータでいい結果を得るためには、まず仮説が必要だと思います。
DS.INSIGHTは、世の中の兆しみたいなものを大筋で捉えたい時にうまくはまりますし、アンケート調査では得られないようなデータをダイナミックに把握できるのも強みだと思います。
ただ、やみくもにDS.INSIGHTを使っても、データの海に溺れてしまいます。私たちも使い始めのころはそうでした。
今回DS.INSIGHTを利用してみて、ある程度、既存の意識調査などから仮説や道筋を立ててDS.INSIGHTに探しに行くというやり方を実践する中で体得していきました。
意識調査から仮説を立て、DS.INSIGHTを使ってみて仮説が合わなかったら、また意識調査に戻って...という流れを繰り返しながらレポートを作成した結果、意識調査とDS.INSIGHTの双方を使った見せ方になりました。

- オンラインセミナーの反響はいかがでしたか

参加者の皆さまからは、おおむねご好評をいただき、次のテーマリクエストをいただいたりしました。今回のオンラインセミナーで、DS.INSIGHTの検索データによってどのような情報が把握できるのかが伝わり、参加者から期待を寄せられるような反響につながったのではないかと考えます。

ウェブサイト、動画などのコンテンツ作成にもDS.INSIGHTを活用

- その他のDS.INSIGHT活用について教えてください

2021年11月に『Let's!和ごはんプロジェクト』のウェブサイトをリニューアルしました。
リニューアル後は、このプロジェクトが本当に伝えたい相手である、日々の献立に悩む忙しい生活者に向けて、和ごはんのお役立ち情報もきちんと充実させていくことを目標にしています。
そこで、月ごとにテーマを決めて週替り新着情報としてニュースを作っていくことにしたのですが、テーマを決める際の下調べ、今のトレンドの一次情報としてDS.INSIGHTを使っています。具体的には、食関係のニュースを見るたびに、実際の検索ボリュームはどのくらいだろう、などと調べています。
大事にしているのが検索推移で、ピンポイントで今の人気を見るというより、ボリュームが少なくても上がり基調なのかなど、時間の流れの中でトレンドを見るのに重宝しています。

Let's!和ごはんプロジェクト』ウェブサイトより

また、農林水産省のYouTubeチャンネル 「BUZZ MAFF」の中で「 和食 わーく ぅライフバランス 」というチームを結成し、和食の良さを楽しく伝えるための動画を発信しているのですが、この企画を考える時に、DS.INSIGHTの上昇キーワードから、レシピ、料理、健康、グルメなどの直近キーワードを見て、何かバズっているものはないか、それを和食で使えないかをメンバーで話し合っています。

Let's!和ごはんプロジェクト』ウェブサイトより

データを活用していろいろな「食」のライフスタイルに寄り添う政策・提案を

- 最後に、食文化室におけるデータ活用について、これからの課題やチャレンジについて教えてください

食は誰にとっても身近で必要なものであると同時に、食にまつわる関心や困りごとの種類や深さは多種多様であることを私たちも実感しています。一方、これまでの食に関する行政からの発信情報は、あるべき論や理想像が語られがちだった面がありました。
今の時代は生活者のライフスタイルが複雑化し多岐にわたるからこそ、初心に戻りデータを活用して、いろいろな人がいるということを捉え、食卓のリアルに寄り添う政策・提案を進めていくのが食文化室の使命だと考えています。

- 縄田様、桂様、山口様ありがとうございました!


※記事で一部掲載させていただきました『Let's!和ごはんプロジェクト オンラインセミナー 2021秋』レポートは本プロジェクトメンバーのみの公開となっておりますこと、ご了承ください。

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