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活用事例:株式会社三菱総合研究所

活用事例

株式会社三菱総合研究所

株式会社三菱総合研究所

DS.INSIGHTを利用開始した「データ活用のプロ」が考えるデータ駆動型社会の現在と未来

コンサルニーズ調査組織活用
株式会社三菱総合研究所

三菱総合研究所は、日本を代表するシンクタンク、システム開発会社/システムインテグレーターのひとつ。2020年、創業50周年を迎え「社会課題を解決し豊かで持続可能な未来を共創する」をミッションとする新経営理念を発表。DS.INSIGHT for Partnerを導入頂き、ヤフーのビッグデータをコンサルティングに活用されています。今回は三菱総研・DX技術本部 デジタルコンサルティンググループより岡本 勝裕様、中尾 成政様、牛島 由美子様、そしてヤフー・新庄が参加し「データ活用の未来」について意見交換会を実施いたしました。

(左より)三菱総合研究所 岡本 勝裕様 ※ファシリテート
ヤフー 新庄 匠
三菱総合研究所 中尾 成政様
三菱総合研究所 牛島 由美子様

データ駆動型経営へのチャレンジ。それが出発点

- 三菱総研(以下・MRI)岡本様:三菱総研として、どのような考え方でデータ活用の取り組みをおこなっているのかというところから話していきましょうか。

MRI中尾様:私から、まずお話しすると、当社にはDX部門・本部がありまして、そこではシステム開発もおこなっています。私たちのテーマとしてはデータ駆動型経営、つまり勘や経験だけではなくて、科学的根拠に基づいた経営をちゃんと取り仕切っていこうというところを推進しています。私見ですが、昔、私が就職したころは勘と経験で基本的にビジネスは回っていて、「それではダメだ」ということで「データを使いましょう」という話も当然あったわけですが、実際のところは、そうは叫ばれていたけれども全く実現していなかったと思っています。

その背景としては、実は勘と経験でやっても何か外れないみたいな世の中だった(笑)・・・というふうにも認識しています。これが、直近だとコロナや、少し前ではリーマンショックなどの全く予測がつかない現象が出現してきた。やはり根拠に基づいて判断をすることが徐々に必要になってきた状況があって、データが蓄積され、ディープラーニングに代表されるAIの急速な進化・普及が始まったここ数年から、当社でもデータ駆動型経営を社会に浸透させるべきという流れになってきたというところでしょうか。

属人的な判断からの脱却を目指して

- MRI岡本様:それでいくと、データ駆動型経営の定義を、もう少し具体的に話してもらえませんか。

MRI中尾様: 少し概念的になってしまうのですが・・・インターネットやモバイル、特にIoTの発達によってデータ量が爆発的に増えた現在、あらゆるデジタル化されたデータを活用し企業の経営に活かす手法、これは、いまや民間の話だけではなく、公共分野も当てはまると思います。例えば、デジタル田園都市国家構想ではEBPM(証拠に基づく政策立案)の必要性が強く謳われていたりします。

MRI牛島様:最終的には「経営の判断」の部分ですよね、重要な点としては。従来からの経験や勘ではなく、科学的根拠に基づいた判断、いわゆる属人的だった判断をデータ活用により可視化していく作業。この可視化が第一歩で、そこから客観的な判断をしていく。誰が見ても同じ結論を出せる、それに基づいて経営をしていくのが、これからの「あるべき姿」だと考えています。

MRI中尾様:そういう意味では、人それぞれの判断を統一するというAI開発みたいなものも私たちの仕事の範疇に入ってきます。ただ、AIは最終的な手段・方法論というか、まずは現状のデータで世の中を可視化・構造化して、課題を見つけていくことに取り組んでいます。

DS.INSIGHTから取得したデータの使い方

- MRI岡本様:AIということで言えば、その前提であるビッグデータを、まず入れなくてはいけない。ただ、それ以前に、そもそもデータをどう取るかという、その部分に話を進めていきたいのですが、前提として新庄さんのほうでヤフーさんとしてのデータ活用の取り組みや、考え方をお話しいただけますか。

ヤフー新庄:もともとはヤフー社内で、たとえばYahoo!トラベルのサイト改善において、Yahoo!トラベルのデータだけを使うのではなく、旅行の予約をしてくれた方が予約する直前にどんな検索行動をとっていたのかなどを分析してきました。そして、当然これはヤフー社内だけではなくて、外部の事業会社さんにとっても価値がある、ビジネスに活かしていただけるデータではないかと。それこそ、さきほどのデータ駆動型経営という意味で、データソリューション事業が立ち上がりました。そういう流れがあります。

MRI岡本様:ありがとうございます。三菱総研は、もともとシンクタンクとして国の統計データや自社で運営するmifという定点調査データを使用してきました。さまざまなデータを取り扱ってきたなかで、今回DS.INSIGHT(以下・DSI)のデータを使う目的やメリットなどを少し話していきましょうか。

MRI中尾様:民間企業向けのコンサルティングで言えば、代表的なデータの使い方は2つあります。1点目がいままでの大きなトレンドで、これをもって何か将来の見通しを立てる。もう1つが足元の消費者や生活者のニーズを細かく把握する。1点目のトレンドを見る点では、まさに国勢調査などの国の指定統計を活用し、2点目の消費者ニーズを細かく見る点では、指定統計以外に弊社のmifというアンケートパネルを使って調査をしてきました。

DSIの良いところは、まず2点目の足元の消費者の状況を細かく見ることに関しては、スピーディに、調査なしでもすぐに使える。ほぼリアルタイムであり、昨日の状態も見られるというところでしょうか。またDSIはアンケート調査と根本的に違って、アンケート調査というのは、これは仮説があるわけです。仮説にあることを検証していくものなので、アンケートの選択肢以上は把握が難しい、類推するしかない。これに対してDSIは、たとえば検索データでは、隠れた深層心理みたいなところも推測できるデータなのかなと思っています。

検索データは究極の潜在需要データ

MRI中尾様:そして、1点目の世の中の見通しを立てることにDSIのデータが使えないのかという点ですが、実はこの点もDSIのデータが有用なのではないかと個人的には考えています。検索データとは、検索「行動」のデータですから、実は究極の潜在需要ではないのかという印象を強くもっています。このリアルタイムデータを活用することで、これから顕在化するトレンド予測が可能なのではないか。長期ではないですが、中間期ぐらいの将来予測に使えるデータになると考えています。むしろ、この方向をやっていきたいなと思っています。

MRI牛島様:私はもともとインサイトを抽出する業務を多くしてきていますが、アンケートでニーズを聞くときには「どう思いますか」「今後どうしたいですか」と聞いていきます。ただ、このように聞いてしまうと今後の考えだけで答えられるので、基本的に前向きな答えになりがちです。

DSIの検索データの特長は、検索という行動をともなっているので、もう1段リアルに近いといいますか。アンケートで実態と考え方を聞く、その中間に位置すると思っています。読み解きが、行動が伴っているだけ、はっきりしやすいですね。この行動も一緒に入っているという点が、すごく面白いデータだと思います。

さまざまなデータを組み合わせて活用することが重要

- MRI岡本様:DSIを活用しながらも、その一方で国勢調査などのオープンデータも利用すると思います。その理由としては、デジタルを使えない90歳・80歳といった世代を拾えるということ以外に、なにか他にありますか。

MRI牛島様:統計調査は国の縮図になるように作られています。需要予測をするときに、それを本当にそのまま引き延ばしていいのかというところが、ただそのまま使えるわけではないと思うので、そこは国勢調や国の各種統計の調査データと組み合わせるのがベストとは考えています。

ヤフー新庄:国勢調査は、聞いている先が日本全国民ということですよね。私たちのデータは、やはりヤフーをご利用いただいている方々がベースになるので、当然ヤフー・ユーザーのバイアスが出てしまうので、日本の人口とか性別・年代とかに拡大推計をしたものを、皆さまに使っていただけるツールとしてご提供しています。ただ、やはりどうしても国勢調査とヤフーデータからの拡大推計となってくると、当然そこには違いがあるとは思っています。

MRI牛島様:やはり、さまざまなデータを組み合わせて活用することが重要だと思います。少し話が飛びますが、未来の展望として、企業のDXというより社会のDX化、がひとつの大きな流れかもしれないですよね。

MRI中尾様:イメージとして日本国民の行動が全てデータに反映されて、すべてが予測可能な社会、つまりデータ駆動型社会の実現ということですね。究極の需要予測をやろうと思ったらこの方向に行くしかないと思います。

データ活用のための方法論を共創していく

- MRI岡本様:今年(2022年)に入ってから、私たちはDSIを導入しました。三菱総研でDSIを、どのように活用しているのかを話していきましょう。

MRI中尾様:DSIを導入して数ヶ月経ちましたが、率直に言って使いやすいです。他本部からも問い合わせが来るぐらいで、すごく触っていますし使い込んでいる。ともかく40代・50代の社員にも使いやすそうな、直感的に使えるようなツールになっているという印象があります。顧客提案のときに、いわゆる国の指定統計などでは、データがもう3年前のものですとか、新しくても半年前ですということはよくあって。たとえばコロナで、もう状況がどんどん変わっているときに、それこそ昨日のこととか先週のことが知りたいという場合、DSIのリアルタイム性は強みですね。

MRI岡本様:デメリットはないですか。

MRI中尾様:デメリットとしては、検索データの場合、検索ワードを的確に検証したいことに合わせて入力しないといけない。仮説を検証する場合など、引き出したい結果を出しづらいという側面はありますね。ただこれは、使い手側の課題でもあり、まず使い慣れるということが重要だと思います。

ヤフー新庄:いまのお話は本当におっしゃる通りで、どういったキーワードを入力して調査したい結果を導き出すのかという点は、導入していただいている企業様がどこも共通でお持ちの課題だと思います。これも、おっしゃっていただいた通り、本当にどんどん使っていっていただいてナレッジをためていくのが必要な部分もあると思います。

MRI牛島様:深くその分野に入り込みすぎてコンサルタントをしていると、一般の感覚がわからなくなっている場合もありますし。ちょっと周りの人に、聞いてみたりとか。

ヤフー新庄:今の時代は検索キーワードのサジェストが発達していることなども影響していると思います。それで、私たちは「DS.LAB」と呼んでいる契約者のコミュニティを持っておりまして。これはDSIの契約者用のコミュニティスペースで、たとえばこういうキーワードを入れてみたけれども、うまくヒットしなかったというような投稿していただくと、他の利用者さんが、それだったらこういう検索の仕方をしたほうがいいですよと。もちろんヤフーのスタッフも参加しています。DSIをご利用いただいているすべての皆さまと、ともにベストな活用法を作り上げたいという最終イメージをもっています。

データ活用から社会課題の解決へ

- MRI岡本様:最後にDSIを実際に使用して、これから先、どのようなところに期待するかという点を話していきましょうか。

MRI牛島様:最近は多くのクライアントの方から、コロナの後どうなるのか、どこまで戻るのか、ということを聞かれます。例えば、弊社のmifというアンケート調査で、旅行に関して「収まったら行きたいですか」と聞いていますが、約9割が行きたいと答えていて、ここからは、「以前の水準に戻る」ということしかわからない。DSIを使用して検索数がじわじわと上がっていく様子や国内なのか海外なのかという、そういうリアルな数字を見ていくと、もう少しきめ細やかに言えるだろうなと。これは実感としてあります。

MRI中尾様:つまりリアルタイム性と「検索=需要の先読み」データであることですよね。自分たちのミッションとしては社会や企業を効率化する仕組みを、私たちのコンサルティングで提供していきたい。そのなかでDSIをうまく活用したいと思っています。

MRI岡本様:逆に、新庄さんにヤフーさんとして私たち三菱総研に期待することも聞いてみたいのですが。いかがですか。

ヤフー新庄:ありがとうございます。私たちヤフーの場合、たとえば広告プラットフォームがありますが、企業の打ち手としては当然ながら広告以外のアクションもある訳です。三菱総研さんの場合、広告以外にもアクションプランが色々とあるなかで、最終的なアクションまでのご提案というところを、私たちにはできない領域として一緒に進めさせていただきたいなと、僭越ながら、すごく期待しています。

MRI岡本様:いま私たちも、そのようなスキームでお客さまにいくつか、DSIのデータを用いた社会課題解決といったことを取り組みとして開始しています。これからは、そういったニーズがどんどん増えていくと考えています。

ヤフー新庄:これはすべてのお客さまに関していえることですが、最終的には日本におけるデータ活用を広めていくということを一緒に目指していきたいという想いはもっています。

MRI岡本様:それがデータの民主化ということですよね。データへのアクセスが限定された一部の人だけでなく、多くの人がアクセスできて活用できる。その先にデータ駆動型社会が存在し、社会課題も解決されていくという構造ですね。本日はありがとうございました。

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