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導入事例:九州大学

導入事例

九州大学

九州大学

大学と自治体で連携したビッグデータの活用
糸島市との共同研究における観光人流の見える化

エリア分析カスタマー分析教育・研究機関
九州大学

観光分野の研究におけるビッグデータの活用が進む中、大学や自治体では実際にどのようにDS.INSIGHTを活用されているのでしょうか。
今回、観光分析の共同研究に取り組まれている九州大学の荒川様と福岡県糸島市の長谷川様に、研究の内容やDS.INSIGHTの活用についてお話を伺いました。

左から九州大学荒川様、糸島市長谷川様

左から九州大学荒川様、糸島市長谷川様

九州大学と糸島市の共同研究

二見ヶ浦

二見ヶ浦

- 九州大学と糸島市で行っている共同研究について、どんなお取組みをされているのか教えてください。

九州大学荒川様(以下 荒川様):九州大学と糸島市は、連携研究事業というものをもう10年以上行っており、今回、2021年の研究課題の1つとして、糸島市の観光データの分析を荒川研究室と実施しました。
九州大学では、2020年からNICT(情報通信研究機構)の委託研究で、観光EBPMを実現するためのデータ分析プラットフォームの開発を進めています。2021年秋には、企業によって観光動態分析システム「おでかけウォッチャー」として商業化されており、そのプラットフォームを活用してEBPMを実践する自治体として、ぜひ糸島市を分析したいと考えました。これまで担当者が見てきた観光データと比較して、開発されたシステム上で見ている状況が、正しいのか、肌感に合っているのかをご確認いただき、システムに対する評価やフィードバックをいただけたらと考えていました。システムに分析対象を登録する際は、いま糸島市のどこが観光スポットでわれわれはどこに注目して分析すればよいのかというのを、糸島市の観光振興係にお聞きしながら進めました。糸島市は私の生まれ故郷なので、なんとなくどの辺が観光地なのかというのはわかるのですが、この20年で大きく観光地化が進んでいるという印象でした。

左上:雷山千如寺大悲王院、右上:芥屋の大門 トトロの森 左下:姉子の浜、右下:夫婦岩

左上:雷山千如寺大悲王院、右上:芥屋の大門 トトロの森
左下:姉子の浜、右下:夫婦岩

糸島市長谷川様(以下 長谷川様):糸島市としては観光客の動向調査というものを以前行っていたのですが、調査費用が多額にかかるために継続できていませんでした。観光客がどこから来たのか、どういうふうに回遊しているのかというのは肌感覚では持っていたのですが、データとしては持っていなかったので、このお話をいただいたときにぜひ一緒に分析をやらせていただきたいとお願いいたしました。市の役割ですが、観光分析の対象ポイントを76カ所選定しました。この76カ所の分析と、現在海側、特に二見ヶ浦周辺がオーバーツーリズムになっているので、どうにか西側や山側へ誘導できるような事業を展開したく、その事業に活用できるような分析ができないか荒川先生へ相談して、分析していただきました。

人流データ×検索データでみる観光分析

- 研究を進めるにあたり、さまざまなデータ分析系のツールがある中で、どのような点が理由となってDS.INSIGHTをご導入いただいたのでしょうか。

荒川様:おでかけウォッチャーでは人が集まっている場所や周遊状況を把握することができるのですが、「なぜその場所に集まっているのか」ということはわかりませんでした。例えば有名な施設があればその施設に来たということは位置情報でわかるのですが、そこに来る人たちが何を求めて来たのか、どういった食べ物に興味があるのか、といったことです。若者と老人では狙っているものが違うので、海鮮を目当てに糸島に来た人もいるかもしれないし、スイーツなどの映えを狙って来ている人もいるかもしれないし、はたまた温泉かもしれない。温泉施設であれば温泉が目的ということはわかるのですが、同じ場所にいくつかコンテンツがある場合は、位置情報だけだとそれらの切り分けができないのです。
それに対しヤフーさんのDS.INSIGHTのお話を聞いたときに、検索データと位置情報がセットになっているのはここにしかない情報だなと思いました。周遊情報はお出かけウォッチャー特有のデータなのですが、検索データと位置情報はヤフーさんしかないなと思い、どういったキーワードを使って訪れているのかということがわかれば、なぜ人が集まったのか、なぜこの時期に来ているのかということもわかるのではないかということで、DS.INSIGHTを使ってみたいなと思いました。

おでかけウォッチャーによる周遊分析

おでかけウォッチャーによる周遊分析

- ありがとうございます。おでかけウォッチャーが回遊状況を分析できるのに対し、何を狙って回遊しようとしていたのかということの解像度を上げるためにDS.INSIGHTをご活用いただいたということですね。

分析結果の施策への反映

- 長谷川様はDS.INSIGHTを活用した分析結果をご覧になられて、何か新しい発見はありましたか?

長谷川様:荒川先生からいただいた分析結果を見ていくと、糸島へのアクセスに関してやはり女性が多く検索しているということがわかりました。分析結果から、今後は女性向けにアクセス情報のアプローチができるのではないかと考えています。あとはランチやカフェに関する情報が多く検索されていて、これはもともと食が糸島の強みであったのですが、それが分析結果から確信に変わりました。観光客が「食を目指して糸島へ来ている」ということが検索データとしてはっきり出ているので、食をメインとした観光の街づくりというのをやっていくべきではないかと考えています。

- 今回の研究において、DS.INSIGHTを活用されたことでの成果や手応えなどはありましたか?

荒川様:研究者目線では匿名化された情報の中で1個のデータだけを信じて分析するというのはちょっと不安な部分があります。糸島市さんが行っている観光地の入込調査でも前年度の情報と比較してどうかということはやるのですが、例えば雰囲気的には年配の方しか行かないような温泉に意外と女子が来ているという話があったときに、これって本当なのかなということで、情報の信頼度を高めるためにDS.INSIGHTのデータを見てみるといったことがありました。おでかけウォッチャーとDS.INSIGHTではデータ元が異なるのですが、そういったものを比較できたのは非常に良かったなと思っています。

DS.INSIGHTを活用した共起キーワード分析

DS.INSIGHTを活用した共起キーワード分析

長谷川様:福吉という地域で令和3年度カキ小屋バスツアーというものを実施しました。当初はカキ小屋に行った後に地元食材の直売所である福ふくの里へ行くというツアーを組んでいたのですが、荒川先生の分析結果から、先に買い物をしてからカキ小屋に行くという流れがあることが分かったので、令和4年度のツアーはその分析結果を反映したツアー内容を組み直しました。そうしたらかなり好評でニーズにあったツアーができたので、次年度以降さらにこれを広げていこうと考えています。
また令和3年度から市内において周遊バスも実証事業にて実施しているのですが、当初はただぐるぐる回るような形だったところ、カフェなどを盛り込んだ方がいいのではという分析結果を元に、令和4年度からはカフェバスというものを走らせました。これも令和3年度よりも利用者が伸びまして、ニーズに合った事業提案ができました。反応も良いので、今後事業として観光の街づくりにどんどんデータ活用を行っていきたいと考えています。

糸島カキ小屋バス

糸島カキ小屋バス

研究と政策、それぞれにおけるデータ活用

- 荒川様にお聞きしますが、これからも研究においては民間データやオープンデータを活用されるケースはあると思いますが、研究目線で使うにあたって、こういう風に使っていけないか、こういうところを注意すべき、といったご意見があれば教えていただけますでしょうか。

荒川様:おでかけウォッチャーでは観光入込調査との整合性がかなり高い相関で取れているということがわかっていますが、観光に特化するためにアルゴリズムを結構変えています。DS.INSIGHTの場合は住民と来訪者を区別していますが、来訪者の中には観光じゃない人も結構いるのですよね。特に福岡だと出張で来る方もいっぱいいるので、おでかけウォッチャーの場合は観光の動きに特化して観光客を抽出するみたいなことをやっています。一方で観光含めてジェネラルな目的でここにどれくらい人がいるのかという見方をする場合はDS.INSIGHTで、ということで、ヤフーのデータとおでかけウォッチャーのデータは全く違うものになっています。ただこれは同じ方向を目指す必要はないと思うので、うまく使い分けができればいいなと思っています。

- ありがとうございます。ヤフーとしてもこういったデータを行政の方や研究機関の方でもっと使っていただき、生産的であったり新しい研究ができたり、地域の役に立ったりということを広めていきたいと思っています。
長谷川様にお聞きしますが、観光に限らずこういう使い方ができないかといった、今後の展望や狙いを教えていただけますでしょうか。


長谷川様:このDS.INSIGHTを活用し、市民などの意見、要望、ニーズを的確に把握し、市の課題解決につなげる政策を企画立案したい。例えば今働き手が不足していて、求人を出してもなかなか応募がない状況にあるため、業種ごとの課題や、求職者がどういうキーワードで仕事を検索しているかなど、DS.INSIGHTのデータ分析により求職者のニーズや、業種ごとの課題などの把握を行い、求人側と求職者側がうまくマッチングできる事業の企画立案などに活用できないかと考えています。
その他、糸島へ移住者が増えていますが、人口減少地域もあり、その地域へ移住者の流入を増やしたいと考えています。その時に移住者のニーズ把握、例えば移住希望者がどのようなキーワードで検索しているのか、何を求めているのかなどDS.INSIGHTのデータ分析により把握し、政策の企画立案につなげたいと考えています。今後、観光分野だけではなく、検索エンジンを介し「人々の行動」をデータ分析によって可視化し、市の課題解決につなげたいと思っています。

幣の浜

幣の浜

- 貴重なお話、ありがとうございました!
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