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導入事例:九重味淋株式会社

250年の伝統に革新を -老舗みりんメーカーが検索データをヒントに生み出した大ヒット商品

カスタマー分析ニーズ調査食品
九重味淋株式会社 左:入江 美樹様 右:清水 翔様の画像
  • 九重味淋株式会社
    左:入江 美樹様 右:清水 翔様
カスタマー分析ニーズ調査食品

導入企業様について

創業250年の老舗が挑むデータドリブンな商品開発

九重味淋株式会社は、安永元年(1772年)創業、愛知県碧南市に本社を置く老舗みりんメーカーです。みりん、リキュール、発酵調味料などの製造・販売を手がけ、250年以上の歴史と伝統を守りながら、新たな挑戦を続けています。

今回は、DS.INSIGHTを活用して開発した本みりん 「こはくの実り」が異例の大ヒットを記録した事例について、開発を担当した清水 翔様(総務部 総務課)、入江 美樹様(品質部 研究管理課)、そして広報課の足立 ゆかり様にお話を伺いました。
- 今回の商品開発の背景について教えてください。

清水様:
弊社では、入社2年目の従業員がみりん製造の一連の流れを学ぶために、開発から販売までを一貫して行う研修を実施しています。今回、入江と私がその研修で、社内でビッグデータやAIを活用する流れがある中で、2年目研修でもそれらを活用しようと思い、商品開発のテーマ決めからDS.INSIGHTを活用して、本みりん「こはくの実り」を開発しました。

入江様:
私は普段、品質部で研究管理の仕事をしており、データ分析やAIとは無縁でした。しかし、今回の研修でDS.INSIGHTを使うことになり、消費者のリアルなニーズを知ることができました。それが商品開発の大きな転機となりました。

導入のきっかけ

社長の一言から始まったデータ活用への転換

- DS.INSIGHT導入のきっかけを教えてください。

清水様:
「データをエビデンスとした施策の適格性、重要性を認識し、消費者が欲しいモノを先回りして提示する」という石川社長の経営方針のもと、DS.INSIGHTを導入しました。検索データは消費者が困っていることの表れだから、そこから思い込みではなく、データをエビデンスにした商品開発をしなさいという方針でした。

- 実際に使ってみていかがでしたか?

清水様:
正直、最初は衝撃的でした。「みりん」で検索すると、なんと「砂糖で代用」というキーワードが上位に出てきたんです。みりんの会社で働いている者としては、認めたくない現実でした。でも、データとして突きつけられたときに、これが消費者の本音なんだと受け入れざるを得ませんでした。

入江様:
私も最初に検索結果を見たときは少しショックを受けました。でも、データは嘘をつかない。自分たちの思い込みがいかに強かったかを思い知らされました。

活用方法

代用品検索から見えた、子育て世代の隠れたニーズ

- どのような分析から商品開発のヒントを得たのですか?

清水様:
DS.INSIGHTのBasic共起キーワードのAI機能でもある「検索意図を調べる」機能を使うと、みりんと一緒に検索されているキーワードがカテゴリー分けされて表示されます。確かに「代用品・代替品」というカテゴリーが1位でした。でも、さらに同じくAI機能の「隠れたニーズを調べる」も使ったところ、興味深い発見がありました。

入江様:
「子ども」「いつから」「離乳食」「無添加」といったキーワードが出てきたんです。みりんはアルコールが入っているので、私たちは子どもと結びつけて考えたことがありませんでした。でも、子育て世帯が安全・安心な食品を求めていることがデータから見えてきました。

DS.INSIGHT Basic「みりん」の共起キーワードの画像

ペルソナ設定から商品コンセプトへ

- そこからどのように商品開発を進めたのですか?

清水様:
DS.INSIGHTのJourney機能も活用しました。みりんを検索する人の年代や、前後でどんなワードを検索しているかを分析しました。レシピを調べたり、無添加商品のサイトを見たり、調理器具を検索したりしている。そこから、30代後半の子育て世帯で、「調味料にこだわる健康志向の方」というペルソナを設定しました。

入江様:
ペルソナが決まってから、商品の中身を具体的に決めていきました。健康志向の方に響くものとして「玄米」を使用することにしました。本みりんは通常、精米したもち米から造るため、玄米の状態から造ることは難しいのですが、過去の研究などを基に試行錯誤を重ね、さらに、試作の過程で米麹を通常の2倍使用することで、まろやかな甘みが生まれることを発見しました。「大切な人に贈りたいみりん」というコンセプトにあった、お子様がいるご家庭でも使いやすい、優しい甘さのみりんが完成しました。

本みりん「こはくの実り」の画像

データを活用したプロモーション戦略

- 販売戦略もデータを活用されたのですか?

清水様:
はい。商品のラベルやキャッチコピーを考える際も、DS.INSIGHTのデータとAIを活用して、設定したペルソナに響く表現を検討しました。また、今回初めてインフルエンサーマーケティングを実施しました。明確なペルソナが決まっていることで、ターゲットにあったインフルエンサーを設定することができ、SNSなどを見て購入する方も多く、実際の購買に繋がりました。

足立様:
プロモーションの結果、クーポンコードで追跡したところ、SNS経由での購入も多く、かなりの反響がありました。ペルソナ設定が的確だったことが証明されました。

効果/成果

異例の売れ行き-9日間で完売の快挙

- 実際の販売結果はいかがでしたか?

足立様:
400本限定で2月15日に発売したのですが、なんと9日間で完売しました。ECサイトでは発売日の0時から続々と注文が入り、お一人で10本購入される方もいて、慌てて購入制限をかけたほどです。

- それは通常と比べてどのくらい早いのですか?

足立様:
これまでの限定商品で最も早く売れたものでも2ヶ月でした。9日間というのは異例中の異例です。さらに、お客様から再販希望の声が多数寄せられ、社内で検討した結果、再販が決定しました。秋に800本の販売を予定しています。

入江様と清水様の画像

若手社員の成功が組織に与えたインパクト

- 社内の反応はいかがでしたか?

清水様:
データに基づいて方向性を決めていたので、月1回の上層部への報告もスムーズでした。社長から「それは何かデータに基づいているの?」と聞かれても、「こうです」と答えるだけでよかった。データがあることで、意思決定が本当に早くなりました。

入江様:
レストランの店長から「社長に言われたビッグデータ活用を素直に実行して、結果まで出したことに感激した」という言葉をいただきました。データの重要性が目の前で証明されたので、他部門でも活用したいという声が上がっています。

今後の展望

商品開発から店舗運営まで-広がるデータ活用

- 今後のDS.INSIGHT活用計画を教えてください。

清水様:
レストラン&カフェK庵(ケーアン)の店長から、店舗でもデータを活用したいという相談を受けています。DS.INSIGHTのPlace機能を使って、人流データを分析し、イベント企画などに活かしていきたいと考えています。

- みりん業界の課題についてはどうお考えですか?

足立様:
若い方のみりん離れは大きな課題です。使い方を知らない方も増えています。でも今回、データを使うことで、新しい切り口を見つけられることがわかりました。例えば、和食だけではない、洋食やスイーツなどのレシピを積極的に発信したりしています。

- データ活用の文化は定着しそうですか?

清水様:
社長がビッグデータ活用を提唱してから2年。データ分析の専門知識がなくても、DS.INSIGHTなら誰でも使える。それが証明されたことが大きいです。

入江様:
2年目の私でも、清水さんに教えてもらいながら使いこなせました。みりんと検索するだけで、消費者のニーズがわかる。本当に革命的なツールだと思います。これからも新商品開発に活用していきたいです。

入江様と清水様の画像
- 貴重なお話をありがとうございました。
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