導入事例:株式会社講談社 | VOCE
導入事例
株式会社講談社 | VOCE
導入の決め手はヤフーが蓄積してきたデータを性別・年代で抽出して見られること。
1998年5月に株式会社講談社より「キレイになるって、面白い! 」をキャッチコピーに美容の深い情報を提供するビューティマガジン「VOCE(ヴォーチェ)」が創刊。 ヤフーの行動データから、美容トレンド調査からの企画づくり、美容好きが集まるキーワード選定等のVOCEでのデータ活用についてVOCE事業部 常松 静香様、鎌田 直子 様にお話しを伺いました。
- DS.INSIGHTご利用のきっかけをお教えください
鎌田様:導入した目的はVOCEサイトのコンテンツ企画のヒントを探すためでした。コンテンツSEO文脈のツールは世の中にいっぱいあって、実際に編集部で契約しているものも幾つかありますが、検索されているワードが何だとか、よく見られているページは何だとか、不特定多数の老若男女が見た結果を分析するようなツールです。それはそれで大事な視点の一つですが、VOCEはトレンド情報を発信するメディアでもあるので、多くの人から既に求められているものだけではなく、これから出てきそうなものも見つけたいなとずっと思っていました。
既存のツールだとそういうものを調べるのが非常に難しくて。無料の他社ツールを使っていたのですが、そのツールでは性別や年代が分からないので、数値が跳ねていても、それが実際VOCEのターゲットなのか、ちょっとよく分からなかったんですね。そんなところに、紹介でDS.INSIGHTを拝見したんです。
一番いいなと思ったのが、性別と年代を分けて、ヤフーで蓄積されたデータを見ることができる。もうそこに尽きるというか。そのデータを元にいろんな機能で分析できますけれども、やっぱりそのヤフーの大量のデータを、性別、年代で抽出して確認できるというのが、最大の魅力でした。
左:株式会社講談社 第二事業局 VOCE事業部 常松 静香 様
右:株式会社講談社 第二事業局 VOCE事業部 VOCEウェブサイト 鎌田 直子 様
ふわっと決めるのではなく共通認識をもって選定できる。施策の精度が上がり、結果が数値でわかるように。
- 実際に業務に使われてみて、どうでしたか?
常松様:私は雑誌のPRチームにも入ってまして、鎌田が毎週出すレポートを見て次のSNS施策などを決めるときの参考にしています。そういった次の施策を打つときの精度が上がったなと。ターゲットが絞ることができたとか、告知で選ぶワードが変わってきたとか。今まではふわっとしたキーワードを使っていたけれども、もうちょっとこのターゲットにこういうふうに刺さる言葉ってこの辺だね、といった共通認識をチームで持つことができて、それを使って売上が伸びるとか予約が伸びたみたいな、数値でわかる効果につながったかなと思っています。
鎌田様:デジタルチームではPeopleの基本画面と上昇キーワードをよく使っています。定期的に利用しているのは上昇キーワードで、一度サンプルとして週次レポートを出したんです。まさにコロナ禍で世の中の人々がこもり始めて何かしなくちゃと思っていた時で。そのレポートをVOCEウェブサイト編集部に見せたところ、これは使えるかもしれない、と反応があり、じゃあ1カ月間毎週出してみますということで部内共有を始めました。
ただし、新聞と同じで、必ず毎回全員に発見があるとは思っていないんです。だから出す度に「これが役に立った」「これを使って企画を考えたら跳ねた」といったことはないのですが、毎週出し続けていると、プラン会議の時などに急上昇ワード週次レポートを見て考えましたとか、こういうのってどうですかとたまに質問が来るようになりました。本当に繰り返しではあるんですが、自分としてはトレンド新聞を出しているぐらいの気持ちで粛々淡々と。役に立つと思った人がそのとき使ってくれればいいなという感じで続けています。
常松様:レポートは、デジタルチームや雑誌のPR担当のチームでいったん受け止めたうえで、販売部数資料などと合わせて雑誌の編集部員にかみ砕いて話すというワンクッションを入れています。みんながつくった企画はこういう裏付けがあって、こうやって売れたんだよというように、ちょっと加工して伝えるようにしています。
書籍や漫画だと、自分が担当した企画が売れたかどうかってダイレクトに分かるのですが、雑誌はいろんな企画が合わさっているから、自分がどれだけ部数に貢献したのかって掴みづらいんですね。でもキーワード調査などで、自分が担当した企画の「ここが刺さったんだな」というのが、少し可視化できるようになったかなと感じています。
VOCE事業部様内で共有されている資料(※キーワードや数値はサンプルです。)
他社ツールと組み合わせて複合的な資料にすることで納得感を。企画の裏付けとしても活用。
鎌田様:トレンド文脈だけではなく、SEO関連のところでも活用しています。元々使っていた他社のツールとDS.INSIGHTでのキーワード調査ってちょっと特徴が違うので、コンテンツSEO系の企画検討などにも最近使い始めているのですが、どちらか1個の結果だと、なかなか検証しづらい面もありました。DS.INSIGHTと他社ツールの結果をあわせた複合的なデータを見ることで仮説検証の精度が上がり、「おおよそ方向性が分かった」と編集部のメンバーにも好評です。
常松様:企画会議でプランが出たときの裏付けにも使っています。編集者は読者ヒアリングやスタッフ同士の会話、日頃のリサーチなどから「この企画、今いいかも」と出すことも多いのですが、それが本当に世の中と合っているかどうかは仮説の状態で誌面づくりをする場合もあります。
でも、時系列キーワードがあると、例えば「日焼け止めは夏だけと思っていたけど、やっぱり一年中みんな買っていて、気にしていると思います」という提案に「本当にそうなの?」で止まるのではなく、裏付けが取れて。一年中検索されているし、ちょっとずつ検索の内容は違うけれども、みんな気にしているというのが分かり、自信を持って企画を進めることができたように思います。ベストコスメという強い企画がありますが、掲載号だけではなく年間にわたって注目していただいているというのも裏取りができてよかったです。
DS.INSIGHTの上昇キーワード画面(※キーワードや数値はサンプルです。)
SEOに関する分析の型化と、「時系列キーワード」のフル活用が今後のテーマ。
- 今後の展開やこんな課題に使っていきたい、といったことはありますか。
鎌田様:SEO関係でも、徐々に使い始めていて、そろそろ型が作れそうだなと思っています。型ができればもっと早くたくさん資料が作れる。資料が作れるって本筋じゃないんですけれども、型があることで、自分以外の人もデータの読み解きがしやすくなり、企画とデータをより紐づけて考えられるんじゃないかと。
時系列キーワードも活用できそうなイメージがあります。SEOコンテンツには常設視点とシーズナル視点のものがありますが、シーズナル視点の場合、いつからそのテーマを仕込んでおくかというのが大事ですよね。時系列キーワードは、そういったシーズナルのテーマの一番最初のタイミングをどこにするか、などに活用できそうなので、もう少し機能を理解してから手を広げていくつもりです。
VOCEとは?美容とコスメにガチンコな雑誌でデジタルな仲間を待ってます。
- 最後にメッセージをお願いします。なんでも大丈夫なコーナーです。
常松様:VOCEは美容雑誌として一番最初に創刊し、もう20年以上続いている"美容誌のパイオニア"です。本当の美容好きコスメ好きなファンが多く、すごく勉強熱心。誌面だけでなくウェブサイトやSNSで最新情報も知りたいという、貪欲に情報を得たい方が多いので、そういう方に向けてプロの信頼できるきちんとした情報を、深く編集して発信しています。美容のメディアは色々ありますが、信頼性とかガチ感とか、そういうところを長年大事にしてきているので、DS.INSIGHTも使いながら、よりみんなが何を求めているのかというのをきちんと把握した上で、お伝えしていきたいなという思いを持っています。
鎌田様:今は新型コロナウィルスの影響もありますが、動画コンテンツやライブ配信、AR/VRに5Gとデジタルの活用が進んでますよね。私はデジタルチームに所属していますが、デジタルでのタスクというかやれることって、もう湯水のように日々あふれ出ている状態です。ディレクターとかプロデューサーとか動画クリエイターとか、もう本当に幅広く美容とデジタルを一緒に考えられる人を、今大募集しています。
ウェブサイトやアクセス解析ツール等とにらめっこしているだけではなくて、編集部とのやり取りや、リアルでのイベントもあったりと、本当に幅広いチャネルでのコミュニケーション導線を考えられます。チャレンジングで面白いメディアを作ることができる環境です。ぜひ手を上げていただけるとうれしいです。VOCEで一緒に働く仲間を大募集中!