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導入事例:経済産業省 資源エネルギー庁

導入事例

経済産業省 資源エネルギー庁

経済産業省 資源エネルギー庁

~エネルギー白書2022~ ヤフーのビッグデータを使った新たな国民関心度調査

ニーズ調査効果検証官公庁・自治体
経済産業省 資源エネルギー庁

資源エネルギー庁では、日本のエネルギー事情の全体像について国民各層が理解を深めていけるよう、エネルギー白書や資源エネルギー庁ホームページの「スペシャルコンテンツ」といった媒体を使って、できる限り分かりやすく丁寧に情報発信する取り組みを実施しています。2022年6月に公表されたエネルギー白書20221では、ヤフーの検索データを使い、国民の関心度合いを可視化するといった新しい試みが行われました。また、スペシャルコンテンツ2にもその分析の一部を掲載いただいています。
どのようなきっかけでヤフーの検索データを選んだのか、担当された、
経済産業省 資源エネルギー庁 長官官房 総務課 調査広報室 仲谷一宏様、
そして同室総括補佐 宇野雄哉様、総括係長 藤森慎太郎様にお話を伺いました。
※所属・肩書は2022年6月時点

1 エネルギー白書2022 ヤフー検索データ出典部分
第1部第2章 カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応 第2節 脱炭素実現に向けた日本の対応
1.エネルギーに関連する国民の関心度の推移
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/pdf/1_2.pdf

2 資源エネルギー庁ホームページ スペシャルコンテンツ ヤフーデータ掲載記事
検索ワードで見る、みんなのエネルギー関心度―「エネルギー白書2022」から①
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/search_term.html
資源エネルギー庁 長官官房 総務課 調査広報室 仲谷 一宏 様  藤森 慎太郎 様  宇野 雄哉 様(※冊子版のエネルギー白書2022を手に)

資源エネルギー庁 長官官房 総務課 調査広報室
仲谷 一宏 様  藤森 慎太郎 様  宇野 雄哉 様(※冊子版のエネルギー白書2022を手に)

エネルギー白書2022における、新たな国民関心度調査

-調査広報室の普段の業務について教えてください

エネルギー政策の広報を担当する部署で、年次で公表するエネルギー白書や、資源エネルギー庁ホームページのスペシャルコンテンツなどを通して、エネルギー政策やエネルギー事情の内容をわかりやすく広めるための活動を行っています。また、エネルギー教育という面でも、全国の小中学生にエネルギーについてわかりやすく伝えるコンテンツを制作しています。

-「エネルギー白書」とは、どのようなものですか?

まず、エネルギー政策基本法3というものがありまして、「政府は、毎年、国会に、エネルギーの需給に関して講じた施策の概況に関する報告を提出しなければならない」とされており、それに基づいて作成しています。いわゆる法定白書と呼ばれるものです。白書の第3部「施策の状況」が法律で定められている部分にあたりますが、それだけではなく例年その年の特徴を捉える意味で、第1部に「その年の動向を踏まえた分析」、第2部に「国内外のエネルギーデータ集」を設けるようにしています。
作成期間は、毎年6月の閣議決定に向けて、早ければ前年の10月くらいからテーマ設定を行います。今回であれば、例えば新型コロナウィルス感染症の日本での影響を表すデータが発表されることがわかっていたので、それを取り扱ったテーマを加えるなどの検討を開始しました。

3 エネルギーの需給に関する政策の基本方針等を示すことを目的に、2002(平成14)年6月14日に公布・施行。

-エネルギー白書2022でこだわった点を教えてください

これまでの手法に沿った調査や分析に加え、今までの白書では扱われてこなかった新しいデータを用いた分析を行うことにもこだわりました。ヤフー検索の統計データを使って、世の中のエネルギー政策や情勢への関心度推移の変化を過去から中長期的に分析したり、スマートメーターから取得した30分ごとの電力使用量のデータを使い、住宅エリア・商業エリア・工業エリア別の新型コロナ前後の電力消費パターンを分析4するなどしました。そういった新しい分析を投げかけることが、今回のエネルギー白書のテーマの1つでした。

4 グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合「電力使用量データを基にした行動変容等の分析」より経済産業省が作成。第1部 第3章 エネルギーを巡る不確実性への対応 第1節 新型コロナウィルス感染症がエネルギー需給に与えた影響 2.新型コロナが日本のエネルギー動向に与えた影響 にて紹介
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/pdf/1_3.pdf

-新しい分析を試みた背景を教えてください

エネルギーは国民の皆様の生活に深く関係する話でありつつ、なかなか議論を始めるのが難しい分野ではないかという問題意識を持っています。国民の皆様からご意見をいただく機会では、エネルギー業界に関連する人、もしくはメディアからの問い合わせが多くを占めていましたので、「前提知識が必要な分野」との感覚が生まれて関心層を限定してしまっている可能性を考えました。その中でどうすれば従来の関心層とは異なる若者や、小中学生、主婦の方々や、中小企業の方々にも関心を持っていただき、そういった方々の動向を捉えることができるのかは、今までにない新しい試みの必要性を感じさせる課題でした。

-なぜ、ヤフーの検索データを選んでいただけたのでしょうか?

資源エネルギー庁では、多様なご意見を取り入れるよう努めていますが、エネルギー政策に対して普段から積極的にご意見をいただく方々はもちろん、そうではない方々の意見をも幅広く把握しながら政策を検討することも非常に重要と考えています。このような国民全体の関心の一つの表れとして、インターネットでどのようなワードが多く検索されたのか、というデータを使うことは、普段我々がリーチできていない層の理解につながるのではないかと考えました。

-実際にヤフーのデータを使ってみて、いかがでしたか?

広く世間一般の方々のエネルギーへの関心度合いを視覚化したということ自体が、これまでにない新しい取り組みでしたので、全てが発見だったと言えると思います。必ずしも定量的なデータに基づいて議論されてこなかったものが、実際の結果として定量化・視覚化されたことは、非常に参考になりました。また、何か大きな話題があった時に検索が増える現象は予想通りでしたが、世代別など他の情報とクロスして分析できる点は、広報を担当するものとしてターゲットを想定したアプローチが検討できますので、参考になると思いました。さらに、それを我々だけで把握するのではなく、白書の形で公開することで、それを見た関係団体などが一緒に考える流れが生まれると、価値がより高まると期待しています。

~エネルギー白書20225より抜粋~

【第122-1-1】エネルギー政策に関するワードを検索した人数の推移 【第122-1-9】世代別検索人数の推移(気候変動対応)(1万人あた
り)

検索データ出典:ヤフー・データソリューション


  • 左のグラフは2014年以降のエネルギー政策に関する検索人数6推移を分類別に示したもの。
    政策変更や災害などがあったタイミングで関連分野の検索が増えていることがわかる。
  • 右のグラフは気候変動対応ワードの検索人数を世代別に1万人あたりの数に加工集計したもの。
    世代によって傾向が異なるイベントもあれば、COP26が開催された2021年11月のように、
    各世代でまんべんなく多くの検索がおこなわれるものもある。

5 エネルギー白書 | 資源エネルギー庁 https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/

6 検索人数とは:Yahoo! JAPANで検索したユーザーを標本に日本のインターネット利用者の推定検索人数を算出しています。各ワードは、同じものを意味する軽微な違いを一つにまとめるグループ化を行っており、この記事およびエネルギー白書に掲載のグラフは、内包される各ワードの完全一致検索人数を足し上げたり、複数分類の人数を足した延べ人数から集計し、グラフ化しています。

エネルギー白書が「公開」されることの意義

-今後、期待する展開は?

エネルギー政策を振り返り、検証し、次の施策の改善を検討するというプロセスはもちろん我々が進めていかなければならないと考えています。さらに加えると、エネルギー政策は幅広い層との丁寧なコミュニケーションが大事だと考えていますので、我々が何を伝えたいのかという視点と、受け手としてどういった方々がいて、どういう関心をお持ちなのか、という視点をマッチングさせ、双方向のコミュニケーションをはかっていきたいと思っています。また、白書を見たこれまで関係の薄かった業界の方から、「こういうターゲットにこういう教育プログラムをやってみよう」といった動きが生まれると、公開している意義がより高まると期待しています。

-データ分析における新しい試みを今後される方へのアドバイスはありますか?

今まで使われていなかったデータを用いた分析には当然ストロングポイントとウィークポイントがあり、特性を理解しながら使う必要があるので、思い描いた分析を全てやれるとも限りません。データ自体の進化に合わせ、データ特性を理解しながらやれるところをやっていく、という柔軟さが必要だと思っています。

-最後に一言

エネルギー白書全体として、新しいデータを使って形にできたことは非常に良かったと思っています。これをきっかけに来年以降につなげていき、資源エネルギー庁内部にとどまらず、これを見た方が新しい取り組みを始めたり、意見交換を行うきっかけになることも重要だと思いますので、関係者の皆様にもご協力いただきながら、エネルギーに関する理解を深め、広める活動にも力を入れてまいります。

-仲谷様、宇野様、藤森様、ありがとうございました!

資源エネルギー庁HPでは、「『カーボンニュートラル』って何ですか?」「次世代エネルギー『水素』、そもそもどうやってつくる?」など、様々なエネルギーに関するテーマや基礎用語を解説した記事を定期的に配信しております。
ご興味のある方はぜひご覧ください。

▼資源エネルギー庁 スペシャルコンテンツ 記事一覧
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/

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