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これがあれば、もっと車が欲しくなる!AIを活用して、自動車に関心を持つ擬似ユーザーで議論した

事例・分析レポート

[アナリスト:古川 泰地]

前回のレポートでは、生成AIとYahoo! JAPAN各種サービスデータを組み合わせることで、ユーザーが抱える問題やニーズに基づいた出力が可能になり、さらに、これを活用してAIにより生成された疑似ユーザー同士が議論することで、新たな示唆や面白いアイデアを生み出す可能性をご紹介しました。

今回のレポートでは、このシステムを新サービス開発に活用する具体例として、「もっと自動車を買いたくなる施策」について、AIによって生成された自動車に関心のあるユーザーに議論していただく例をご紹介します。今回は、Yahoo! JAPAN各種サービスの中からYahoo!知恵袋の閲覧傾向や年齢層の傾向を基にしたセグメントを用いて、AIユーザーを生成し、議論を行います。

Yahoo!知恵袋のデータがどのように活用されているかを明確にするために、以下に示す議事録の中で、Yahoo!知恵袋のデータを考慮に入れて出力されたと推定される箇所は太字で表示します。

今回議論に参加する疑似ユーザーは、Yahoo!知恵袋の閲覧傾向を元にして、9名が選ばれました。これら9名のユーザーは、ユーザー1からユーザー9までの順に表示します。

ユーザー1 ユーザー2 ユーザー3
ユーザー1の画像 ユーザー2の画像 ユーザー3の画像
性年代 40代・男性 30代・男性 20代・男性
Yahoo!知恵袋の閲覧傾向 新車購入 新車購入 自動車の買い替えと
アニメ
ユーザー4 ユーザー5 ユーザー6
ユーザー4の画像 ユーザー5の画像 ユーザー6の画像
性年代 40代・男性 30代・女性 10代・男性
Yahoo!知恵袋の閲覧傾向 自動車メンテナンス 子育てと運転マナー 免許,中古車購入,SNSや電子決済
ユーザー7 ユーザー8 ユーザー9
ユーザー7の画像 ユーザー8の画像 ユーザー9の画像
性年代 10代・女性 30代・男性 40代・男性
Yahoo!知恵袋の閲覧傾向 自動車メンテナンス,仕事,電子決済 自動車保険とメンテナンス 自動車保険とメンテナンス
画像:アフロ

未来を描く「未来予測型サービス」
【議事録】
ファシリテーター みなさん、こんにちは。今日の討論のテーマは「自動車をもっと買いたくなる革新的な販促サービスや施策」です。現在の自動車販売の状況を考慮に入れつつ、未来の可能性を見据えたサービスや施策について考えてみましょう。はじめにユーザー1さんにお聞きします。あなたはよく車についての情報を閲覧するようですね。何か新しい販促サービスや施策についてのアイデアはありますか?
ユーザー1
40代・男性
はじめまして、ユーザー1と申します。自動車について幅広く情報を集めるのが好きで、特に新車の購入から車のメンテナンスまでを網羅的に調べています。そのため、「未来予測型サービス」を提案します。具体的には、AIを利用してその人がどんな車を求めているか、どんなサービスを求めているかを予測し、それに応じた推奨車種やオプション、維持費などを提示するサービスです。例えば、家族構成やライフスタイル、趣味等から最適な車種やオプションを、旅行計画からはどのような車が適しているかをAIが予測し提案します。加えて、未来のメンテナンス計画や予想される燃費等も提示することで、車の維持管理を予測しやすくすることで長期的な視野に立った車選びをサポートするといったサービスです。
ユーザー2
30代・男性
未来予測型サービスは素晴らしいアイデアだと思います、ユーザー1さん。個々のユーザーが直面している問題や要望をリアルタイムで解釈して対応することは、高度にパーソナライズされたお客さん体験を生むことになるでしょう。これにより、自動車は単なる移動手段でなく、我々自身の生活やビジョンを反映するものになるでしょう。さらに、メンテナンス計画や燃費等も予測することで、お客さんが車を所有する全体の費用を理解するのに役立つと思います。将来的な視野から車を選ぶという発想は、より効率的で賢い購入意思決定を可能にすると思います。次に、ユーザー3さんはどうでしょうか?何か新しいアイデアはありますか?自動車に詳しいだけでなく、アニメも楽しんでらっしゃるようなので、その視点から提案があれば聞きたいです。

はじめに提案されたのは「未来予測型サービス」です。Yahoo!知恵袋の閲覧傾向から、家族向けの車を購入したいと考えているユーザーは、オプションや車種に対して強く関心を持っていることから、「家族構成やライフスタイル、趣味等から最適な車種やオプションを...」という提案がなされました。AIを活用してユーザーのニーズに合わせた車選びをサポートする仕組みが提案されています。これに対してユーザー2は「その負担を軽減するという視点は大変重要だと思います」と前向きに評価しました。このように、Yahoo!知恵袋の閲覧傾向をもとに各疑似ユーザーの発言が生成されています。

ストーリーを感じるエンターテインメントの力
【議事録】
ユーザー3
20代・男性
ユーザー2さんの未来予測型サービスのアイデアは素晴らしいと思います。そこに加えて、私はエンターテイメント要素を取り入れた販促を提案します。例えば、アニメや映画のキャラクターやストーリーに基づいた特別版の自動車が販売されると理想的だと考えます。各車種には、そのキャラクターや映画の世界観を反映した内装やエクステリア、特別な機能を導入して、お客さんが自分のお気に入りのエンターテイメントにより深く接続できるようにすることはどうでしょうか?愛されるキャラクターや有名な映画と連携することによって、新たなお客さんの興味を引くことができると思います。それは自動車を単なる根幹技術の集合体から、もっとストーリーと感情に訴える存在へと昇華させるかもしれませんね。
(中略)
ユーザー5
30代・女性
ユーザー4さん、エンターテイメント要素が取り入れられた自動車というアイディアは確かに魅力的ですね。私自身、子供を持つ母親としては、子供たちが喜ぶような特別仕様の車も選択肢に増えると嬉しいです。例えば、小さいお子さんがいる家庭には、知育アニメとコラボした内装で、走行中も子供が楽しめるような工夫がされている車や、大きなヒット映画のキャラクターが描かれたカー・ラッピングなどは一家のアイドルになり得るかもしれませんね。さらに、普段の家族のドライブが更に楽しくなるような要素がたくさん詰まった車は、販売促進に繋がると思います。次にユーザー6さん、あなたの意見も聞かせていただけますか?

次に、自動車に関心を持つユーザーの中でも特にアニメ好きであるユーザー3から、エンターテインメントと自動車の融合による「キャラクターやストーリーに基づいた特別版の自動車」が提案されました。これに対して、育児中の母親であるユーザー5は、エンターテインメントの解釈を知育アニメや映画のキャラクターに広げることで、家族向けの車として販売が促進されると意見を述べました。

ポイントで楽しむ、所有の喜び
【議事録】
ユーザー6
10代・男性
ユーザー5さん、アニメや映画とのコラボレーションによる特別な自動車があると、確かに家族でのドライブがさらに楽しくなりますね。そこで私は車を所有すればするほど、利用者が得られる特典が増える「ポイントシステム」を提案します。このシステムはゲームのような体験を車の所有に組み込むことで、ユーザーのエンゲージメントを促します。例えば、一定の距離を走行するごとにポイントがたまり、それを車のメンテナンスやカスタマイズ、さらには映画やコンサートのチケットなどに交換できると良いでしょう。これにより、車の所有そのものが独自の楽しみとなり、車をより頻繁に使うことで更にポイントが得られ、その結果、自動車が売れやすくなると考えます。続いてユーザー7さん、何かアイデアはありますか?
ユーザー7
10代・女性
私もユーザー6さんの提案する「ポイントシステム」を非常に賛成です。車の使用頻度や経験に応じて報われるというのは、車を使用するインセンティブを与える素晴らしい施策だと思います。さらにこのポイントを地域の小売店やレストランとプロモーションで結びつけることで、地元経済の活性化を促す「ローカルポイント券」にもなるでしょう。一方、自動車に関連性のあるサービスや商品を提供するビジネスにとっても、車を持つ人々との間で自然な関係を構築する機会を提供します。詳細なポイントのシステムは、各自の行動やパーソナライズされた契約に適応することが可能です。このように、車の所有と使用がコミュニティ参加の具体的な方法となり、一層の購入の動機となるでしょう。次にユーザー8さんはどのように思いますか?

ユーザー6によって新たに提案されたのが「車を所有するほど、利用者が得られる特典が増える「ポイントシステム」」です。また、ユーザー7からは、「地元経済の活性化を促す『ローカルポイント券』」が提案され、地域社会との連携を促す新たな取り組みを示しました。どちらのユーザーも10代であり、Yahoo!知恵袋の閲覧傾向から電子決済との相性の良さなどが考慮されて、ポイントシステムの提案に至ったと考えられます。

AIによる自動メンテナンスアシスタントで安心を
【議事録】
ユーザー9
40代・男性
私は更に所有する車のメンテナンスを簡易化する施策を思いつきました。それはAI搭載の自動車メンテナンスアシスタントの提案です。これは、車の運転中に各種センサーから得られるデータをAIが解析し、必要なメンテナンスや異常がある場合にはすぐにオーナーに知らせるシステムです。このシステムにより、車の異常に気付かないままになることを防ぎ、必要なメンテナンスが適切なタイミングで行えるようになります。これによって車の安全性が向上し、長期的にはメンテナンスコストも抑えられると考えています。次に、ファシリテーターさんはこれらの意見をどのように捉えていますか?

ユーザー9からは、自動車の安全性を高めるだけでなく、長期的なコスト削減にも寄与するという考えから、「AI搭載の自動車メンテナンスアシスタント」が提案されました。序盤の「未来予測型サービス」が購入時のサービスであるのに対し、こちらは購入後にAIを活用したサービスとして提案されました。

まとめ
【議事録】
ファシリテーター これらのアイデアをまとめて、自動車が売れるための3つの方針としては以下のようになるかと思います。

1.未来予測型サービス:AIを使用して、購入者のライフスタイルに最適な車を提案し、長期的なメンテナンス計画や予想される燃費等も提示する。
2.エンターテイメント要素:アニメや映画とのコラボレーションを通じて、特別なデザインや機能を持つ車を提供し、購入者が自分の好きなエンターテイメントにより深く接続できるようにする。
3.ポイントシステム:車を使っていくことでポイントが蓄積され、これらをメンテナンス費用や地元商店の商品に引き換えることができるシステムを導入する。

以上で討論を終了します。

ファシリテーターはこれまでの議論をまとめ、「未来予測型サービス」「エンターテイメント要素」「ポイントシステム」の3つの主要な施策を提案の要点として挙げました。

今回は新たな販促サービス開発を目的とし、生成AIとYahoo! JAPAN各種サービスデータを組み合わせ、「もっと自動車を買いたくなる施策」について擬似ユーザーにディスカッションをしてもらいました。私個人の感想としては、車購入時に今後の維持費の予測を自分で行った経験があり、それを自動でシミュレーションしてくれるのは非常に便利なサービスだと感じました。また、利用状況に応じてポイントが貯まるというのは、鉄道や航空業界では既に行われていますが、自動車業界ではまだ導入されていないため、有効なのではないかと感じました。

このように、生成AIとYahoo! JAPAN各種サービスデータを組み合わせることで、現実のユーザーが抱えている課題などを背景情報に持った複数の疑似ユーザーに、任意のテーマで議論をしてもらうことが可能となりました。これにより、ユーザーの潜在的なニーズをより具体的に抽出することができました。今回は新商品開発を目的としましたが、実際に開発した製品のレビューなどもユーザーインタビューを行うより効率的かつ迅速に行うことが可能となります。

ヤフー・データソリューションでは、今回紹介した手法以外にも、競合比較、ジャーニー分析、トレンド分析などの様々なデータ分析に対して、生成AIとの融合が価値を高める方法について、引き続き検討していきます。今後ともヤフー・データソリューションをよろしくお願いいたします。

※今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ(パーソナルデータ)については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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