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ゴールデンウィークの旅行者データ分析で見えた、3つの新トレンド

事例・分析レポート

[アナリスト:池宮伸次]

2023年はコロナ禍において実施されていたさまざまな規制や制限が大幅に緩和された年となりました。そんな中で迎えたゴールデンウィーク(以下GW)、ここ数年とはかなり雰囲気が違うと感じた方も多かったのではないでしょうか? そして、長らく我慢していた遠い所への旅行・観光に行かれた方も多かったのではないかと思います。

実際に今年のGWの旅行・観光に関する行動はどのような特徴があったのでしょうか? ヤフーデータソリューション事業でも利用されているビッグデータを用いて、旅行・観光客の動きを捉えるべく、去年と今年のGW期間中の変化を分析してみました。具体的な手法に関しては、すでに公開済みの「データ分析で観光業界再興に備えよう! 旅行客の行動特徴を可視化する」のレポートをご覧ください。

実際に検証してみたところ、面白い3つの傾向が明らかになりましたのでご紹介していきたいと思います。

GW分析で見えた3つのトレンド

①メジャーな観光地に異変。インバウンド避けが新トレンド?

今年の傾向を把握するにあたって、まずはオーソドックスに昨年のGWの旅行・観光者数と比較してメッシュエリア単位で伸びているところ(赤色)と減っているところ(青色)の可視化を行ってみました。
実際の報道でも取り上げられましたが、海外旅行に行く人が大幅に増えたということで、空港などは前年比でかなり人が増えており、赤いメッシュエリアを多く確認できます。また、郊外や地方の観光スポットでも赤色のメッシュエリアが多いところがたくさん存在しており、前年のGWに比べて遠出の旅行・観光に出かけた人が多かったのではと推測できます。

成田空港・羽田空港周辺の旅行・観光者増加率マップ(昨年比)

成田空港・羽田空港周辺の旅行・観光者増加率マップ(昨年比)
使用データ:ヤフーの位置情報(以下同)
集計対象期間:2022年4月29日~5月8日および2023月4月29日~5月7日(以下同)
使用ツール:tableau(以下同)

しかし、すべての観光スポットで昨年より人が増えたわけではないことも判明しました。特に象徴的な場所は京都エリアです。

京都駅周辺の旅行・観光者増加率マップ(昨年比)

京都駅周辺の旅行・観光者増加率マップ(昨年比)
昨年比で旅行・観光客の減少を示す青色のメッシュエリアがたくさんあることがわかります。他にも鎌倉や奈良などでも減少エリアを多く確認できます。これらの原因はいったいなんでしょうか。
一つの推測としては、インバウンドが考えられます。昨年10月の水際対策緩和以降、海外からの観光客がたくさん訪れている、または場所によってはオーバーツーリズムが発生している、といった報道が今年に入り特に目立つようになったことで、GWにあえて外国人観光客が多いスポットと考えられるところを候補から外したのでは? という推測です。また、昨年は京都などの観光地は海外からの観光客がいない今こそ訪れるべきスポットという流れもあり、人が多く集まったといった現象も発生しました。そういった複合要因によって前年比較で日本人旅行・観光客が減少傾向として現れた、という解釈もあるのではないでしょうか。

②東京・関東以外へのリベンジ旅行・観光が発生か?

次に広く東京エリアを見てみましょう。

東京23区近郊の旅行・観光者増加率マップ(昨年比)

東京23区近郊の旅行・観光者増加率マップ(昨年比)
驚くことに、先ほど紹介した京都同様、昨年と比較して減少を示す青色のメッシュエリアが多く見えます。つまり、昨年のGW期間中に比べて東京へ旅行観光に来ている人は減っているということです。
実際に東京に旅行・観光に来た人は昨年のGWと比べて減っているのでしょうか? 都道府県別で昨年比で20%以上増えたメッシュエリアと減ったメッシュエリアの数をカウントして、各都道府県別に割合を比較してみました。

集計仕様:各エリアにおいて前年比20%以上の増減があったエリアのみをカウント

この結果からもやはり東京都への旅行・観光者が昨年に比べて減っている傾向にあることがデータわかりました。ちなみに単純なユーザー数の昨年比較でも同じような結果となっています。そして、減少が多いエリアの下位に関東が固まっている点、東京以上に沖縄に訪れる人が大きく減っていることも気になるポイントです。
東京への旅行・観光が伸びなかった理由は、昨年のGWはまだ多くの規制が残っていた時期であり、まだまだ遠出の旅行というよりも近場の観光地という意識が強かったと考えられる時期でもあったため、その反動として今年のGWこそは東京(近場)ではないところへ、という意識が現れた結果なのでは、と推測できます。沖縄も同様に、海外などに行けない中での旅行先として昨年人気を博しましたが、その反動の可能性が考えられます。

③若い人ほどより遠くへの旅行意欲が高まっている!?

ヤフーには各データに様々な属性データを付与することができます。ここではもっとも定番である性年代別での切り口を加えてみたところ、また違ったことがわかりました。
同じく東京エリアですが、20代女性と50代女性でのエリアマップを並べてみましょう。

20代女性と50代女性でのエリアマップ
このように比較した時、あきらかに20代女性のほうが昨年に比べて東京に旅行・観光に訪れていないことがわかります。一方50代女性は昨年よりも増加しているエリアも多く確認することができます。
より具体的に比較するため、世代別に増加減少エリア数を比較してみましょう。

世代別増加減少エリア数

集計仕様:各エリアにおいて前年比20%以上の増減があったエリアのみをカウント

全体でみると減少エリアの多い東京でしたが、世代別で見るとかなり様相が変わります。10代20代といった若い層ほど、今年のGWは東京よりも違うエリアまで足を延ばしたいという意向が強かったように考えられます。特にこの数年は旅行に行けないままに学生時代を過ごした人も多くいたと考えられ、その反動といった要素もあるように思われます。つまり、若い人ほど旅行欲がより高い傾向にあるのでは? というのがGW分析から推測できます。このあたりは若い人は今どこの観光地へいっているのかなど、旅行トレンドの分析としてさらに深堀していくと面白そうなテーマといえそうです。

一方で、50代を超えてくると去年よりも増加エリアのほうが多いという傾向が現れており、去年の段階ではまだ旅行・観光そのものを控えていた人が、今年は外にまず近郊からという行動をとり始めたのではという推測が成り立ちます。そうであれば、来年はその人が今年の若者と同じく、都心以外のエリアへとより活発に旅行・観光ニーズを喚起するのでは、という仮説も考えることができそうです。


最後に

紹介した3つのトレンド以外にも日本全国のデータからいろいろな傾向を見出すことができました。例えば、多くのイベントが再開されたりしたことで、イベント施設や競技場などが集中してメッシュエリアが赤くなる(前年比増加)傾向にある一方、コロナ禍期間中は人が多く集まっていたショッピングセンターやアウトレットモール、また比較的安全なレジャーとされた海岸やキャンプ場といったところも伸び率が減少傾向となっているところが見受けられました。

このようにゴールデンウィークの旅行観光客の流れを可視化してみると、今後の旅行トレンドの一つの流れを推測する手掛かりになりそうですね。

これらの分析にご興味がある方はぜひデータソリューションまでお問い合わせください。

ヤフー・データソリューションでは、今後も分析に役立てていただける調査レポートの発信をしていきます。

※今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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