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検索者の移り変わりからトレンドの前兆を捉える

レポート

[アナリスト:小川知紘、森琢郎]

突然ですが、皆さんは企画を考える上でこのようなお悩みはありませんか?
・トレンドになりそうな種をいち早く見つけたいが、どう探せばよいか分からない
・トレンドの種がたくさんあるので、結局どれに注目していいか分からない
・現時点では伸びていても、それが伸び始めなのかピークなのか段階が分からない

トレンドをいち早く捉えてビジネスに活かすことは、企業がチャンスを掴むための重要な取り組みの1つです。しかし、トレンドが生まれるきっかけや場所は多様化しており、全てを把握することは困難になっています。

ヤフーのビッグデータを活用・分析すると、今後トレンドになりそうな種を事前に見つけることが可能になります。(参考:ヤフー商品ブレイクマップ
ビジネスとして活用する上で次に必要となるのは、「どの種に注目し、企画するかを判断する」ことではないでしょうか。

本レポートでは検索者の移り変わりに着目することで、「今後の伸び方を想像し、根拠を持って注目すべきトレンドの種を絞り込める」可能性が見えてきたためご紹介します。


今後トレンドになるかを早めの段階で判断するには、見る度に大きく変わってしまう指標ではなく、変化が緩やかで今後の流れが想像しやすい指標が不可欠です。
その指標において、ヤフーの強みである検索者の興味関心は有効なデータになり得ると考えています。

例えば「新作スイーツ○○」が発売された時、真っ先に反応するのはスイーツ好きの人たちと想像されるように、反応する内容やタイミングにはその人々の持つ興味関心が強く影響すると考えられます。
さらに人々の興味関心は、中長期的に見ると変わっていることはありますが、短期間で頻繁に入れ替わることは少ないのではないでしょうか。

そこで検索者の興味関心を指標に活用できないか、まずは性別・年代が興味関心に一定の共通傾向を示すと仮定して、検索者の性年代の移り変わりを見てみました。
今回はテーマを「食」に絞り、過去の「食」に関するトレンドについて確認していきます。

昨年大きなトレンドとなった「マリトッツォ」を題材に、月ごとに算出した性年代特徴度の推移を表したグラフがこちらです。移り変わりを捉えるため、性年代ごとに下降に転じたタイミングを判定しています。


これを見ると、「マリトッツォ」検索者は女性の20代→30代→40代→50代と特徴度の山が移り変わっていると見て取れます。

次に、この推移を検索者数と重ねて見てみましょう。


すると、検索者数がまだ少ない段階で女性20代特徴度は下降判定されており、そこから年代が移り変わっていくにつれて検索者数が伸びていることが分かります。その後は特徴的な性年代は見られないまま、検索者数は減少している様子が見て取れました。

では他のキーワードではどうでしょうか。
例えば前述した「ヤフー商品ブレイクマップ」で、ボリュームが一定あり伸び率が以前より落ち着いてきたキーワードとして出現している「ネネチキン」(全国に展開する韓国料理店名)のグラフがこちらです。

これらのグラフを踏まえると、上昇傾向にあるトレンドの種の中でも
最初に女性20代特徴度が下降判定されているもの、かつ、直前の特徴度の並びが女性20代>女性30代>女性40代>女性50代になっているものは同じ流れを辿りやすい
→次に女性30代が下降判定されたものは一段階伸びていく
→次に女性40代が下降判定されたものは更にもう一段階伸びるが、山の頂点が近づいてくる
→次に女性50代が下降判定されたものはもうすぐ山の頂点になる

可能性が高いと予想出来るのではないでしょうか。


上記のような若年からトレンドが出来ていく流れは比較的想像しやすいですが、他にも移り変わりの流れは複数見られます。
例えば、「アトリエうかい」(製菓工房)のように女性60代から年代が下がっていく流れや、「デュワーズホワイトラベル」(ブレンデッドスコッチウイスキー)のように男性50代から年代が下がっていく流れも出現していました。

また「マリトッツォ」のグラフでは、女性20代特徴度が下降判定されると30代が最も特徴的に、30代特徴度が下降判定されると40代が最も特徴的に、というように下降判定される周辺で次に来る属性が最も特徴的になっている(=メインターゲットが広がっている)様子が見て取れます。
ターゲットが広がるとメディア掲載頻度やバリエーションの増加などが起こりやすくなるため、最上位の交代は更に大きなトレンドとなり得る重要な合図なのかもしれません。


検索者の移り変わりからトレンドを説明出来れば、多数のトレンドの種から更に着目するものに絞り込む説明材料として
・理想とする過去のトレンドと同じ流れで性年代が移り変わっている種に絞り込む
・現時点での性年代の移り変わりが似ている過去のトレンドを参考に、その後の流れを想像する

ことも可能になりそうです。

試しに「ヤフー商品ブレイクマップ」で抽出されたトレンドの種から、「マリトッツォ」に見られた流れと同じものに絞り込んでみました。その一例がこちらです。

「チュモッパ」...韓国の家庭料理で、韓国のりなど様々な刻んだ具材が入った丸いおにぎり。韓国と日本の発音の違いから「チュモクパプ」「チュモッパプ」などとも呼ばれる。



グラフを見ると、まず女性20代特徴度が下降判定されており、その直前の特徴度の並びが女性20代>女性30代>女性40代>女性50代となっていることが分かります。更に女性30代が最も特徴的に入れ替わっているため、「チュモッパ」は今後大きなトレンドになっていく可能性が高いのではないでしょうか。
今後も同じ流れを辿るのか、注目して見ていきたいと思います。

まだまだ、移り変わる期間の長さや性年代ごとの人数ボリュームの変化、「食」以外のテーマでのパターン発見など試すべきことは多くありますが、注目すべきトレンドの種を納得感ある形で選択出来る可能性が見えてきました。


最後に、今回は性年代特徴度を基にした検索者の移り変わりをご紹介しましたが、興味関心特徴度を基に移り変わりを捉えられる可能性も見えています。
例えば、こちらは「マリトッツォ」検索者の特徴的な興味関心の移り変わりを表したものです。


検索者の移り変わりから納得感のある流れを見つけることが出来れば、「有力なトレンドの種の選定」だけでなく、将来的には「トレンドを作っていく」ことにも活用出来るのではないかと考えています。

ヤフー・データソリューションでは、今後も分析に役立てていただける調査レポートの発信をしていきます。

※今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。

※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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