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2021年に入っても需要継続の家電、求められる理由をデータから分析

レポート

[アナリスト:衣目 麻里]

皆さんが家電を買い替えるのはどのようなタイミングでしょうか。製品の寿命による故障、引っ越し、新生活、テレビの紹介、様々な理由があると思いますが、このコロナ禍におけるワークスタイルの変化や在宅時間の長さも、そのきっかけのひとつとなりました。

「Yahoo!ショッピングから見える巣ごもり消費の動向」(2020.05.14公開)

一度目の緊急事態宣言の際には「巣ごもり消費」という言葉が生まれ、外出自粛による運動不足解消のためのダイエット・健康器具関連商品や、在宅時間を楽しむためのゲーム・おもちゃ、在宅時間の長さを活用する家電などが売れていたことをレポートしました。

二度目の緊急事態宣言となった2021年1月においても同じような傾向がみられるでしょうか?ヤフーショッピングの購買データを使って同様のデータを見てみましょう。今回、学校は休校の対象にならなかったことの影響か、前回は伸び率の上位にいた「ゲーム、おもちゃ」の伸び率は減少。毎年1月に増加傾向となる「ダイエット、健康」関連商品は例年よりもニーズが高いものの、一度目に比べると伸び率は減少してはいます。そんな中、「家電」のカテゴリについては一度目も二度目も前年比で同程度伸びており、引き続き高い需要があることがわかります。

ヤフーショッピングの対前年同期間比のカテゴリ別売上増加率

(資料:ヤフーショッピング 集計対象期間:2020年1月および2021年1月月間)

では「家電」カテゴリでは今どういった商品が求められているのでしょうか?今回はトレンドマップを使って検証したいと思います。
「トレンドマップ」とは、横軸を「検索数」、縦軸を直近の検索数推移を元とした「トレンド指数(※)」とし、キーワードごとにマッピングしたものです。このマップにより、検索データの集積体から現在のトレンドや今後の傾向が見えてくるのではないかと考えています。


これを「〇〇家電」および「〇〇 家電」(例:調理家電、おしゃれ 家電)といった「家電」を末尾に含むキーワードを対象に、2020年9月から直近2021年2月までの半年間において伸び率を計算して下記の図を作成します。縦軸が半年間の伸び率、横軸が検索数、ひとつひとつの円の色は赤いほど昨年と比べて伸びている、という図です。


まず、キーワードのほとんどが上昇スコア0.0以上であることに注目します。これは家電自体のニーズが全体的に高まっていることを意味しており、トレンドマップでも家電人気が高いことが証明された結果となりました。

その中で検索数が一番大きいワードは「ふるさと納税 家電」。ただし、こちらは年末にピークを迎えているため縦軸の上昇スコアはすでに減少傾向となり、0を切っていることがわかります。トレンドマップから見た、伸び率が高く検索数も多い今アツイ家電2大ワードは「調理家電」「ヘッドスパ家電」という結果となりました。なお、「一人暮らし 家電」は検索数も多く伸び率も高めですが、ご想像の通り3月の引っ越しに向けての需要であるため、この期間の上昇トレンドスコアは毎年高くなります。

次に伸び率は高いが検索数はまだそこまで大きくはない(これから?)ネクストブレイクエリアを見てみます。昨年比の円の色が一番濃くなっているのは「ちょこっと家電」。こちらはちょこっと利用できるコンパクトタイプの家電のジャンルかと思っていましたが、実はこれは焼肉や鍋をひとりで気軽に楽しむグリルプレートの商品名でした。検索データを見てみると自宅で食事をすることが多くなったからだけではなく、どうやらアウトドアや車中泊で愛用される方が多いようです。コロナでキャンプやアウトドアも例年より増加傾向で様々な人が楽しむようになっていますので、引き続き注目される家電かもしれません。

次はどんな人が家電を欲しがっているのかを、今一番人気が高まっている家電といえるキッチン・調理家電の中でも、特に1月に人気が高かった「トースター」で見てみたいと思います。
「トースター」が欲しい!と思っても、実際にはいろんな商品があるため皆さん悩まれることが多いのではないでしょうか。もちろん機能面や値段を比較して決定するのが通常ですが、今回はトースターの中でも商品の違いを検索ワードから見てみることで「求められている機能やシチュエーション」や「求めている人たちのユーザ像」について分析してみたいと思います。

今回ピックアップした4社のトースター名(レポート内では便宜上A社~D社とします)の前後に検索されやすい検索ワードを抽出し、対応分析(コレスポンデンス分析)を用いてそれぞれの傾向を読み解いてみましょう。対応分析の見方を簡単に説明すると、製品名の近くにあるキーワードはその製品のイメージと関連性が高いと読み取ることができます。(今回は対応分析の詳細な説明は割愛致します)


ぱっと目に付くのは、C社が「キッズ」や「ベビー」、「IKEA」や「インテリア」と近しい関係にあること。デザインがかわいらしいC社の製品は赤ちゃんや子供がいるパパ・ママ達の需要が高そうです。「クリスマス」というキーワードも近く、プレゼントにも選ばれていることが多いことも推察されます。次は下部のB社。「ルクルーゼ」、「ストウブ」、「バーミキュラ」などデザイン性が高く機能的な調理器具を検索する人が多いことがわかり、デザインが人気のC社とはまた違ったデザイン趣向の人たちに人気である様子がうかがえるのではないでしょうか。

上記の対応分析ではキーワードごとの詳細な特徴が把握できますが、次は特徴をジャンルごとに定義した上で、クロス分析を利用して全体を俯瞰する形でみてみます。


こちらは基本的に縦軸のジャンル名毎に、横の列で比較しながらみていきます。四角のサイズが大きいほど特徴キーワードの中で出現頻度が高く、四角の色が赤いほど特徴の偏りが大きいとみることができます。 A社はここ最近ニーズが高まっており検索ボリュームも増加傾向ですが、これはふるさと納税の返礼品によく登場し、人気を高めているためと思われます。併せて使用感などの口コミを検討している人も圧倒的に多く、購買意欲が高そうであることも伺えます。

B社とC社はおしゃれ意識が高いデザイン重視のユーザ層からニーズが高いことがわかります。ただし、B社の方が北欧テイスト好きの傾向が高く、C社の方が赤ちゃんや子供のいる家庭に人気で、プレゼント用途としても選ばれる傾向のようです。このようにB社とC社のトースターを求める人は全体的に似ている傾向ではあるものの、その微妙な違いをジャンル定義しクロス分析していくことで把握できます。他にも、コーヒーメーカーを探すなどコーヒーにもこだわりがある方、昨今ブームである高級食パンを調べている方、どうしても大きくなってしまう家電の収納スペースを気にされている方、などとクロス分析することで、より具体的なペルソナ作成が可能となります。思わず納得するような結果となることはもちろんのこと、意外なニーズや利用者も発見することが可能です。本レポートと併せて開催されるヤフー・データソリューションのセミナーではこのあたりも深堀ってご説明いたします。



ヤフー・データソリューションでは、今後も分析に役立てていただける調査レポートの発信していきます。

※今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に 提供することはありません。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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