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次に来るパビリオンは!?万博のトレンドとリピーターの賢い楽しみ方

事例・分析レポート

[アナリスト:石田 大幸]

皆さん、大阪・関西万博には、もう行かれましたか?
6月29日には、来場者数が1,000万人を達成し、これから夏休みに向けてさらに多くの人が訪れることが予想されます。
私も7月の初めに来場しましたが、夜間券を利用しても十分に楽しむことができました。
このように多くの人々が訪れる中で、SNSや検索トレンドからは"次にバズる兆し"がすでに見え始めています。
そこで今回は、すでに行った人もこれから行く人も楽しめる「トレンド予測データで抽出した、これから人気に火が付きそうなパビリオン」と「万博をリピートする人の行動データから見えた真の楽しみ方」を分析してお届けしたいと思います。

検索データには、ユーザーの興味関心、悩みなどが表れやすく、大阪・関西万博に行きたい人や来場した人の「行く前の期待」や「混雑への不安」「何を体験するかの迷い」などがリアルに映し出されます。
このような検索行動の傾向を分析することで、注目が集まりはじめている場所やコンテンツをいち早く予測することができます。

1番人気のパビリオンは?

まずはどんなパビリオンが人気なのでしょうか? 「パビリオン」を含む検索キーワードランキングを確認してみましょう。

「パビリオン」を含む検索キーワードランキング
人気と言われているイタリアやアラブ首長国連邦を抑えての1位は大阪ヘルスケアパビリオンでした。未来の自分に会える「リボーン体験」や「モンスターハンター」の世界に飛び込めるアトラクションなど、様々な体験ができるパビリオンで多くのメディアにも取り上げられています。人気の理由もわかりますね。ただ、上位のパビリオンは予約も困難で、入場するのも激戦です。
ということで、トレンド予測からじわじわと人気に火が付きつつあるパビリオンを抽出して紹介したいと思います。

ネクストブレイクするのは「カタール パビリオン」?

ここからは、検索数が上昇しているキーワードや、これから上昇しそうなキーワードを見つけることができる「DS.INSIGHT Trend」という機能を使ってトレンドキーワードを抽出し、その中から「パビリオン」を含むキーワードに絞って、ネクストブレイクする可能性が高いパビリオンを見ていきます。

分析対象は「パビリオン」部分一致のキーワードで、期間は2025年6月15日を基準日として過去三ヶ月間の検索データを対象としています。

「パビリオン」部分一致トレンドキーワードランキング
6月15日時点で最もネクストブレイクに近いとされているのが「カタール パビリオン」、その次に「アイルランド パビリオン」だということがわかります。
そこで、なぜ注目が集まっているのかを調べてみました。
「カタールパビリオン」は、隈研吾建築都市設計事務所が手掛ける、カタールのダウ船と呼ばれる伝統的な帆船と日本の伝統的な指物の技術にインスピレーションを受けたデザインが特徴的なパビリオンです。こちらでは、無料のヘナタトゥーが特に人気で、午前中に整理券の配布が終了してしまうことがあるそうです。「カタールパビリオン」と一緒に検索されたキーワードランキングを見てみても、3位に「カタールパビリオン ヘナタトゥー」が検索されており、SNSでも話題になっています。

グラフの画像
そのためか、「万博」や「大阪関西万博」の検索と比べて、若い方や女性の方の検索が多くなっています。

まず、カタールパビリオンに行くことで、ヘナタトゥーを楽しみながら万博を存分に満喫できるかもしれません。

「ヘナタトゥー 万博」のX(旧Twitter)検索結果 - Yahoo!リアルタイム検索

次に注目したいのが「アイルランド パビリオン」です。

「アイルランドパビリオン」検索数推移(週次)
「アイルランドパビリオン」と一緒に検索された第二キーワードで「整理券」の検索が伸びています。「アイルランドパビリオン」は、予約はできず午前午後の2回入場整理券を配布しているようです。こちらでは、毎日館内のステージで、音楽の生演奏が披露される時間帯があり、「生演奏がすごくいい!」とSNSなどでも評判となり、入場整理券が争奪戦になっているようです。
訪れることができたらラッキーかもしれません。

「イタリア館より難しい?」万博で評判、海外パビリオンの生演奏とは

「ネクストブレイクエリア」に属する上位3つのパビリオンが「エンパワーリングゾーン」に位置している点も注目です。このエリアは、将来性の高い展示が集まる場所として見逃せません。

会場マップ | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト

「リピーター」の戦略的楽しみ方

万博は一度ではすべてを体験できないため、何度も訪れるほど新しい発見と楽しみが得られます。
そんな万博に魅了され、リピーターとなる人たちは一体どのような人々なのでしょうか。
この項目では、リピーターの特性を「属性」、「検索キーワードの特徴」、「来場前後の検索行動」の三つの項目に分けて非リピーターと比較しながら詳しく分析します。

2025年4月13日から2025年5月31日までの期間において、万博に「非リピーター:一回だけ来場している人」と「リピーター:2回以上来場している人」の二つのセグメントを作成しました。万博に2回以上来場しているリピーターは全体の17.4%を占めています。

属性分析:リピーターが多い年代・職業は?

まず、性年代別や興味関心・職業の比較から見てみます。

グラフの画像
グラフの画像
性年代別の分析によると、リピーターは若干年齢層が高い傾向にあります。

興味や関心の点では大きな違いは見られませんが、職業において顕著な差が確認できます。
リピーターの中には「経営者・会社役員」や「会社員」の特徴がより強く出ている一方で、「学生」や「パート・アルバイト」の特徴は低いことが分かります。

この職業の違いが、リピーターの来場動機や行動パターンに影響を与えている可能性が考えられます。

検索キーワードランキング: 目的はスタンプラリー?

次に検索キーワードの特徴を比較してみましょう。

検索キーワードランキング(特徴度順)
非リピーターの検索キーワードはこれまでの傾向と変わらず、主に万博全般に関する基本的な情報が中心です。
しかし、リピーターの場合はスタンプ関連の検索が多く、スタンプラリーが来場の目的の一つとして重要な役割を果たしていることが明らかになりました。このことから、リピーターは単なる観光を超えて、スタンプラリーなどの参加型イベントを通じて万博の体験を深めていることがわかります。

来場前後の検索行動分析: 通期パスはいつ買う?

最後に、来場の前後でどのような検索をしているかを見てみましょう。

1回来場者の前後キーワード
2回以上来場者の前後キーワード
リピーターが非リピーターと比較して来場前に「通期パス」関連のキーワードを多く検索していることから、彼らがより計画的かつ効率的に万博を楽しむための準備をしていることが伺えます。
この行動は、初回の来場時からすでに複数回の訪問を見越しており、通期パスの購入を通じて時間やコストの最適化を図っていることを示しています。

この分析から、リピーターが様々なイベントや展示を積極的に利用し、万博を「攻略」的に楽しんでいることが分かりました。
リピーターのように、1回目の来場時から通期パスを活用し、「万博を攻略する」楽しみ方を取り入れてみてはいかがでしょうか。

「通期パス」のX(旧Twitter)検索結果 - Yahoo!リアルタイム検索

最後に

いかがでしたでしょうか。
来場経験のある方は、ご自身の検索行動と照らし合わせてみてください。もしスタンプラリーに興味があるようでしたら、リピーターの一歩手前かもしれません。
今回のレポートでは触れませんでしたが、位置情報のデータから、火曜日と16時以降が人の少ない傾向があるので、まだ訪れていない方は、火曜日の来場や夜間券の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
この情報が皆様の万博体験の助けになれば幸いです。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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