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「防災」を意識するときってどんな時? データで見る防災・減災

レポート

[アナリスト:池宮 伸次]

2024年1月1日午後4時ごろ石川県能登地方での地震により甚大な被害が発生しました。
また今回のような大きな震災が起こると、我々に再度防災や減災について意識を高めるようにも感じますが、実際はどうなのでしょうか。

早速ですが、皆さんは「災害用伝言ダイヤル」の番号を覚えていますか?

正解は「171」です。覚えていましたか?
東日本大震災の際には、連日「災害用伝言ダイヤル」についての報道や周知が行われ、多くの人々がこれを利用しました。しかし、震災から10年以上が経過し、普段使う機会がほとんど無いため、忘れてしまっている人も多いのではないでしょうか。
これは防災関連にも共通しており、日常生活で「防災」を常に意識するのは難しいと言えます。
2024年もすでに能登半島地震などの大きな災害に直面しています。私たちが日頃から防災を意識するためには、どうすれば良いのでしょうか。

【「防災」の関心が高まる時はいつ?】
防災への関心を調査するために、まず人々がどのような瞬間に防災に対して強く意識するのか、そのきっかけを調査してみました。Yahoo!検索における「防災」の2016年から直近までの検索数を調べ、どのようなタイミングで検索が増えているのかを見てみました。

「防災」の日別検索数推移(2016年から2024年まで)

これを見ると、「防災」の検索数は緩やかな上下動があるというよりも、ある日突然急増し、すぐに減少するという傾向があることがわかります。つまり、何かをきっかけにして急激に関心が高まるものの、その関心が長続きしにくいのが「防災」の検索数推移の特徴と言えそうです。

次に、その関心が高まるきっかけが何であるかを把握するため、検索数が急上昇している日に何が起こっているのかを調べてみました。

「防災」の日別検索数推移(2016年から2024年まで)

調査の結果、人々の防災への関心が高まるきっかけにはある共通点があることがわかりました。それは「実際に災害が発生した時」、「東日本大震災の日」、「防災の日(9月1日)」です。逆に言えば、大きな災害が身近に起こるか、特定の日付以外では防災への関心を高めるのが難しいとも言えます。

次に、もう少し具体的なキーワードの推移を見て、関心の高まるタイミングの違いを見てみましょう。まずは「防災グッズ」です。

「防災グッズ」の日別検索数推移(2016年から2024年まで)

「防災グッズ」への関心が高まる瞬間は、災害の中でも主に地震が起きた時であることが波形から読み取れます。台風や東日本大震災の日でも検索数は多少上がりますが、地震発生時の方がより防災グッズへの関心が高まる傾向があります。

しかし、すべての地震がこの傾向に当てはまるわけではありません。例えば2023年2月6日に発生し5万人以上の死者を出したトルコ・シリア地震の際には、防災グッズの検索数が大きく増えることはありませんでした。これは、自分自身にとって身近な出来事かどうかが、関心を惹きつける大きな要素であると言えそうです。

これは都道府県別の検索特徴分布を見ても同様の傾向が見られました。2016~2023年の特徴度を平均化して都道府県別の関心の高さを可視化してみると、「防災」「防災グッズ」ともに南海トラフ地震によって被害を受けると予想されている地域からの関心が高いことがわかりました。

防災に関する都道府県別の検索特徴度

この結果からも、災害の危機を身近に感じている地域で暮らす人ほど「防災」や「防災グッズ」の関心が高い傾向にあると言えそうです。

次に「ハザードマップ」の推移を見てみましょう。

「ハザードマップ」の日別検索数推移(2016年から2024年まで)

こちらは主に台風や豪雨といった大きな水害が発生したタイミングで検索される傾向が見られます。ハザードマップ自体は必ずしも水害だけでなく地震や津波の情報も含んでいますが、中でも最も一般的な洪水・浸水ハザードマップが閲覧されるために検索数が増えると想定されます。

以上の「防災」および防災関連キーワードの検索数の動きからも、防災に対して人々の関心が向くのは、実際の災害が起こった時であると同時に、それ以外のタイミングでは特定の日を除いて関心が高まることはほとんどないということが見えてきました。

【さらに意識することの難しい「減災」】
災害大国である日本において、防災と同様に重要なこととして「減災」があります。
これは災害時に発生しうる被害を最小化するための取り組みのことですが、こちらは「防災」よりも検索数が圧倒的に少なく、しかも年々関心が減っている傾向にあります。

「防災」と「減災」の年間検索量比較(2023年)


「減災」の年間検索量比較(2014~2023年)

防災関連については災害が発生した時に検索数が増える傾向がありますが、減災については災害が発生したからといって必ずしも関心が伸びるわけではありません。そのため、防災よりもさらに関心を持ってもらうことが難しく、これが大きな課題と言えそうです。

【LINEヤフーの取り組み】
LINEヤフーでは東日本大震災の被災地復興支援、風化防止、防災啓発に加え、今年1月1日に発生した令和6年能登半島地震の被災者、被災地への支援を目的に「3.11 これからも、できること。」を実施しています。3月11日に「Yahoo!検索」もしくは「LINE」アプリ(ニュースタブ上部の検索窓)で「3.11」と検索すると、ひとりにつき10円を東北支援団体や能登半島地震の被災地支援団体へLINEヤフーから寄付します。そのほかも、売上金が東北および能登半島地震の被災地支援に寄付されるLINEドネーションスタンプや、ユーザー体験型の防災コンテンツ「3分でできる避難訓練 スマホ避難シミュレーション」などを展開します。
3.11 これからも、できること。:https://www.search311.jp/

また、防災・復興支援等に特化した商品を届けるサイト「エールマーケット」の「#おくる防災」において、3月11日に向けた特集サイトを公開しています。家族や友人などへ防災に関するグッズをプレゼントできるほか、令和6年能登半島地震の被災地支援に取り組んでいる団体へ支援物資を寄付することができます。
あなたの想いがつながる #おくる防災:https://yellmarket.yahoo.co.jp/speciallist/bousai/okuru/

ヤフー・データソリューションでは、今後も分析に役立てていただける調査レポートの発信をしていきます。
今後ともヤフー・データソリューションをよろしくお願いいたします。

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