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生成 AI との融合で素早く深くペルソナを理解する!AI インタビューのご紹介

事例・分析レポート

[アナリスト:森琢郎、衣目麻里]

昨今、生成AIが大きな盛り上がりを見せており、さまざまな場面で活用されてきています。この潮流の中で、皆様の業務の中でも利用の機会が増えているかと思います。

しかし、業務の中で扱う際に、
・アウトプットの品質が安定しない。
・誤りが混ざることがあり、いまいち使い所が難しい
といった課題を感じてはいないでしょうか?

本レポートでは、データ分析業務の中で生成AIをどのように活用できるのかの可能性を、デモ動画を交えて解説します。
※ 本レポートでご紹介するツールおよび機能は、外部への公開を予定しているものではありません。

□ ペルソナ分析の問題

今回ご紹介する分析対象は、ユーザ群の特徴的な要素から見えるユーザ像であるペルソナです。
データソリューションが展開しているビッグデータ分析ツールの「DS.INSIGHT」の機能の一つに「Persona」という機能があります。まずは、こちらを使ってヤフーのビッグデータから見えるペルソナがどのような結果になるか見てみましょう。
ここでは50~85歳の女性かつ「京都 ホテル」を検索するユーザーが、どのような特徴を持ったユーザー群なのかを理解するためのペルソナを作成してみました。

DS.INSIGHTの「Persona」機能で作成した「京都 ホテル」を検索した50~85歳女性のペルソナ

DS.INSIGHTの「Persona」機能で作成した「京都 ホテル」を検索した50~85歳女性のペルソナの画像
内容はシンプルで分かりやすくまとまっています。細部に目を向けると、「検索キーワード(特徴度)」という項目にワードがいくつか表示されています。皆様は、これらの情報からペルソナの特徴をすぐに把握できるでしょうか。なんとなくホテル関連のキーワードが多く、ランチなど食事のワードも見えていると言ったことは分かります。では一言で表すとしたら?と質問されると困ってしまうのではないでしょうか?
ビッグデータを利用すれば、ペルソナを表す要素をたくさん抽出できます。しかし、その中から重要な要素を選び出し、人物像を構築することは容易ではありません。さらに、その裏に隠れているニーズを明らかにするためには、出来上がった人物像にマッチする実際のユーザーを見つけだし、アンケートやユーザーインタビューを実施する必要があります。
このペルソナを素早く、そして深く知るという課題に対して、生成AIが非常に強力なアシストをしてくれます。

□ ビッグデータと生成AIの融合

次に、ペルソナを素早く知る・深く知るという課題に対して、生成AIを使った解決方法の具体例を
より便利にペルソナ分析を行う目的で開発している、プロトタイプツールを用いたデモ動画でご紹介いたします。

いかがでしょうか。
生成AIを使ったビッグデータのサマライズにより、ペルソナをシンプルに素早く理解することが可能になり、擬似的なインタビューによって、ペルソナ像をより深く知る可能性が垣間見られたのではないでしょうか?
レポート後半では、動画の内容をもう少し詳細に解説いたします。

□ ペルソナ像を素早く知る

まずは、ペルソナ像を素早く知るビッグデータのサマライズについて確認していきましょう。

1. ペルソナのサマリ
デモでは、生成AIを利用してペルソナを表すタイトルや画像、サマリを作成しました。これらの要素はペルソナに紐づくユーザ属性や関連するキーワード、悩みや関心などのビッグデータを生成AIに渡すことで表現しています。動画では、ホテルの中でも高級志向であることや、関心ある体験が非日常的であることなど、特定の専門知識がないと難しいレベルまでしっかり噛み砕いて説明ができています。別の例として「自動車保険」を検索しているユーザについても見てみると、自動車保険の事柄に加え、どのようなライフステージにいるかや、大切にしている考え方などが見て取れます。

「自動車保険」を検索した20~34歳女性のペルソナの例

「自動車保険」を検索した20~34歳女性のペルソナの例の画像
2. ペルソナの特徴的な悩みのサマリ
ここでは、ペルソナがどのようなYahoo!知恵袋の悩みを閲覧しているかという情報を元にサマライズしています。検索キーワードと比べてより深い事柄が見えてきます。動画で表示されていた、京都限定の商品をホテルの部屋で楽しむという、お土産としてではなく旅行を豊かにするためニーズはYahoo!知恵袋のリアルな声だからこそ見えてきたものです。Yahoo!知恵袋の質問・回答文は比較的長文であることが多いのですが、生成AIでサマライズすることで、特徴的な要素を最大限残しながらシンプルに説明ができます。

3. ペルソナの商品の購買判断軸
この項目は、Yahoo!ショッピングにおいて商品購入後のレビュー情報を元に、5つの観点(価格・レビュー・配送・品質・アフターサポート)の軸でまとめ、チャートで表示しました。文章のサマリだけでなく、さらにチャートへと可視化する一手間を加えることで、生成AIでサマライズされた結果をより一目で理解することができるようになります。また、判断軸は、例えば調理家電であれば味・静音性・デザイン、おもちゃであれば素材・遊び方の幅・耐久性と言ったように、商品によって求められる要素が異なります。このような要求に対しても、生成AIを使うことでそれぞれの軸に適切なスコアを付けられるため、商品名をもとにしたペルソナでは商品に合わせた適切な判断軸に柔軟に変更することも可能です。

□ ペルソナ像を深く知る

AIインタビュー機能では、ペルソナのデータから生成AIを用いて作り上げた人物像に質問をする機能と、ヤフーのビッグデータで回答内容の確からしさをチェックするという2つの要素を紹介しました。

1. AIインタビュー
本来ユーザインタビューは、インタビューの設計や対象選定、バイアスやコストの問題など様々な要素を適切にコントロールする必要があります。このAIインタビュー機能は、ペルソナに紐づくビッグデータを用いることで、ペルソナ像そのもののユーザへインタビューを行うことができるとともに、生成AIを用いることで、インタビュー時のバイアスが無く、そして何度でもやり直せるという擬似的なインタビューを実現しています。質問文に関しては、生成AIを用いて流れを汲んだ選択肢を用意することで、質問するべきことが思い浮かばなかったとしても適切な質問が行えます。このインタビューは満足いくまで質疑を行うことができるとともに、テキストとして記録が残るため、インタビュー中や終了後に内容をサマライズして抽出・確認することも可能になります。

2. ヤフーのビッグデータで信ぴょう性の裏付け
生成AIの一つの弱点でもある、誤りを返してしまうという問題に皆様も遭遇された経験があるのでは無いでしょうか? この機能では、ヤフーのビッグデータを用いて、回答のキーワードに対してペルソナとの関連性の度合いを測ることで、回答が本当にペルソナの声を表しているかをチェックしています。また、動画では紹介していませんが、キーワード毎に検索数推移を見ることができます。これによりニーズの増減傾向を確認でき、ユーザーインタビューから得られた内容の中で、どれを優先的に考慮する必要があるかといった取捨選択に役立てることができます。

インタビュー回答内のキーワードの検索数推移を確認する

インタビュー回答内のキーワードの検索数推移の画像
このレポートでは、ヤフーのビッグデータと生成AIを融合することで、より素早く深く行えるサマライズ方法や、疑似的なインタビューにより何度もリトライできるユーザー像検証など、ペルソナをより素早くより深く知る事例を紹介しました。
本レポートが、皆様の社内にある様々なデータと生成AIをどのように融合するかのヒントになれば幸いです。

ヤフー・データソリューションでは、今回紹介したペルソナだけでなく、競合比較、ジャーニー分析、トレンド分析などの様々なデータ分析に対しても、どのように生成AIと融合すると価値を高められるかについて、引き続き検討していきます。今後ともヤフー・データソリューションをよろしくお願いいたします。

※今回紹介したツールおよび生成AIによる機能全般については開発中のデモであり、外部への公開を予定しているものではありません。
※動画及び画像内の一部人物画像は生成AIにより作成したものです。
※AIインタビュー機能は、ペルソナ像を模したAIシステムとの対話を示しています。
※今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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