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涙袋"専用"アイシャドウはビッグデータで企画できたのか

レポート

[アナリスト:小川知紘、澤田春菜]

皆さんは涙袋のメイクへの関心が高まっていることをご存じでしょうか?
検索人数の推移を見ても、2021年周辺から右肩上がりで伸びていることが分かります。
(グラフは2014年の検索人数を100%として表示しています。)

「涙袋」「メイク」を含む検索人数 月次推移 ※キャンメイクは除く
涙袋のメイク...ハイライトや影を入れるといったメイクにより、涙袋の部分をぷっくり見せて印象を変える

聞いたところによると、数年前から涙袋専用のアイシャドウやコンシーラーなども誕生しており、先日CANMAKEから発売された涙袋専用アイシャドウも売り切れが続出しているそうです。

この話を聞いた際、「涙袋メイク」「アイシャドウ(コンシーラーやライナーも)」は元々存在していた考え方であるにもかかわらず、そこに「専用」を掛け合わせることで新たな市場を生み出していることにすごく興味を持ちました。



では、ビッグデータを使うことで、同じく「専用」を掛け合わせることで新たな市場を作れる悩みや商材を見つけることは出来るのでしょうか。
今回はメーカー担当者になったつもりで、涙袋専用アイシャドウをデータから企画できたのか検討してみたいと思います。

商品企画の流れとしては、以下2パターンが考えられそうです。

    
まずはヤフーのデータに現れやすい「悩み」を起点とした①で検討を進めていきます。

悩みの抽出に有効なYahoo!知恵袋のデータを用いて、直近の伸びが始まる前の2020年でも質問文に「涙袋」に関する悩みが現れていたのか見てみましょう。

カテゴリが「メイク、コスメ」、質問文に「涙袋」を含むという条件で抽出したところ、2020年の1年間だけで700件を超える質問文が見つかりました。

実際にどんな投稿があったのか、その一例がこちらです。

質問文に現れた涙袋メイクのお悩み例
    
この結果だけでも、「涙袋メイクを始めたい」「やってみたが上手く行かない」「そもそもあるのかが分からない」など幅広い悩みが出てきていることが分かります。
    
関心の高まりに伴って2021年,2022年には更に多くの質問が投稿されており、Yahoo!知恵袋の質問文を見ることで「世の中の悩み」が抽出できることが確認できました。

では、「作るアイテム」はどうすれば思いつけたのでしょうか。

もしかすると現状の解決策を把握できれば、作るべきアイテムを決める参考にできるかもしれません。
そこで先ほどの質問文の内容を見てみると、「何を買うべきか」「どうしたら改善できるか」など解決策を知りたい質問も見られたため、回答文を見ることで解決策が拾えるのではないかと考えました。

先ほどと同じ条件でYahoo!知恵袋の回答文を調べたところ、こちらは2020年の1年間で1100件以上見つかりました。
実際に回答文に現れた単語を見てみましょう。文字の大きさは出現頻度に比例しています。

質問内容によっては涙袋以外の部位に対する回答も含まれますが、結果を見る限り涙袋メイクへの解決策となり得る単語が幅広く出て来ていそうです。

更に涙袋メイクに関する回答文に絞って確認したところ、以下のようなアイテムや解決策が挙げられていました。
こちらはあくまで一例になります。

回答文に現れた解決策例(特定商品名も存在)
ここまで多くの解決策が現れている状況を鑑みると、涙袋の悩みは「解決策が多数存在している=消費者は解決策が明確にないことで困っている」とも捉えることも出来るのではないでしょうか。
そう考えると実は、"アイシャドウに限らず専用商品を作る"こと自体が悩みを解決することに直結していたのかもしれません。

加えてそれぞれの解決手段の回答文への登場頻度も見てみたところ、「(二重用)アイライナー」「アイシャドウ」などが中でも多く登場していたことが分かりました。

既存の解決策の把握の際に登場頻度も合わせて見ることで、専用商品として既存解決策のどれを組み合わせるか(例えば「アイシャドウ」)という発想にも繋がる可能性も見えてきました。


改めて今回検討した結果から見えた可能性を整理します。
  • Yahoo!知恵袋の質問文から世の中の悩みを抽出し、回答文から現状の解決策一覧が抽出できる。また回答文への登場回数で各解決策の印象度も図れる可能性がある。
  • 回答文に解決策が多数存在している悩みは、解決方法が明確に無く困っており、「世の中の悩み」と「既存の解決策」を「専用」で掛け合わせることで新市場を形成できる可能性がある。
  • 今回は企画のパターンとして①(悩み→作るアイテム)で検討したが、
     ①(悩み→作るアイテム)の場合は質問文から回答文を確認する、
     ②(作るアイテム→悩み)の場合は回答文から質問文を確認する、
    ことでいずれの開発パターンにも対応できる可能性がある。


引き続き、解決すべき世の中の悩みの抽出や専用として採用すべき解決策の選定なども検討しつつ、商品開発に役立つ分析を進めていきたいと思います。
ヤフー・データソリューションでは、今後も分析に役立てていただける調査レポートの発信をしていきます。

※今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。
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