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検索データを用いた自動車検討ユーザーの分析

レポート

[アナリスト:藤崎光、馮キン]

多くの人にとって自動車の購入は人生における大きなイベントです。高価な買い物であるがゆえ購入に至るまでに慎重に検討を重ねる消費者が多いと思われます。

本分析レポートでは
(1)ある車種を検討している消費者が他にどのような競合車種を検討しているか
(2)競合車種の間に消費者が求めること(訴求軸)に違いはあるか
(3)競合車種間で検討ユーザーの性年代分布に違いはあるか、をヤフーの検索データを用いて考察してみたいと思います。

分析にはDS.APIで提供されている検索データに加え、別途用意した車種マスタと訴求ワードマスタを用いています。
具体的には、車種マスタに含まれる約880の車種名での検索および、それらの車種名と約330の訴求ワード(馬力、トルク、乗り心地、納期など)を掛け合わせた検索(例えば「アルファード 乗り心地」)を行ったユーザー数を集計し※1、ダッシュボードの作成に使用しました。集計期間は2022年10月1日から10月31日の1ヵ月です。

まずダッシュボードの概観を説明します。
当ダッシュボードは上からパネルA,B,Cの3部で構成されています。
パネルAには車種別の検索ユーザー数のランキングが表示されます。
パネルAで1車種を選択すると、その車種を検索したユーザーが検索しやすい他の車種(=競合車種)が抽出され、パネルBにそれらの車種に特徴的な訴求ワード、パネルCにはそれぞれの車種を検索したユーザーの性年代分布が表示される仕組みになっています。

では分析結果をみていきましょう。
検索ユーザー数ランキング(パネルA)では、トヨタ車が上位10車種のうち7車種を占めており自動車市場でのトヨタのシェアの高さが検索行動にも反映されていることが伺えます※2。車型としてはSUVやミニバン/ワンボックスカー、軽トールワゴンの検索が多いようです。シエンタやクラウンの検索ユーザー数が多いのは直近でモデルチェンジを発表したことも寄与していると考えられます。

次に8月にモデルチェンジを発表したシエンタをパネルAで選択し、競合車種との比較を行います。
前述の通り検索ユーザーの重複(どちらの車種も検索しているユーザーの割合)が大きい車種を競合車種と定義しています。
パネルB,Cの2列目以降に表示された競合車種にはシエンタのエンジンタイプ違いであるシエンタハイブリッドの他、同じくミニバンに分類されるホンダのフリード系の車種が並んでいます※3。

パネルBにはそれぞれの車種とともに検索されやすい訴求ワードのランキングが表示されています。
例えば1列目のシエンタでは他車種との対比で約4倍ほど「運転支援」と車種名がともに検索されやすいということになります。
こちらは8月に発表されたシエンタのモデルチェンジで駐車支援や夜間走行支援などの機能が拡充されたことが影響していると考えられます。
その他にもアイドリングストップ機能に関連してフリードハイブリッド(3列目)において「アイドリング」が特徴的な訴求ワードとなっており、それぞれの車種に特徴的な機能が消費者の関心を惹いていることが見て取れます。
また、シエンタ(1列目)、フリード(5列目)ともにファミリー層をターゲットとしたミニバンであることから、「ウォークスルー」「室内幅」「室内高」「シートアレンジ」など居住性に関連した訴求ワードが特徴的となっています。
その他、居住性関連では、ラゲッジスペースが大きいことが特徴のフリードプラス(4列目)で「荷室」や「車中泊」が上位にランクインしています。一方、シエンタハイブリッド(2列目)とフリードハイブリッド(3列目)では、「実燃費」「自動車税」「加速」「馬力」などハイブリッド車特有の消費者の関心や懸念が特徴的な訴求ワードとして現われています。

最後に、検索ユーザーの性年代分布を比較します(パネルC)。
こちらはシエンタ vs. フリードという軸ではなく、ガソリン車 vs. ハイブリッド車で差異が見られます。
シエンタ(1列目)とフリード(5列目)で検索ユーザーの性年代分布が似通っている一方で、シエンタハイブリッド(2列目)とフリードハイブリッド(3列目)では、シエンタ(1列目)やフリード(5列目)と比べて50,60代の構成割合が小さく、30,40代の構成割合が大きくなっており、より若い世代の方がハイブリッド車を検討する傾向が強いことが分かります。

本分析レポートでは2022年10月の検索データを用いて車種別の検索ユーザー数ランキングを確認するとともに、トヨタのシエンタを一例として競合車種との比較分析を行いました。

自動車市場は新車販売やモデルチェンジなどの日々のニュースやイベントが多いことに加え、電動化や自動運転などの新しい潮流が注目されるマーケットです。ヤフー・データソリューションでは日々変化するマーケットの動向を分析し、今後もお客様のマーケティング活動の一助となるレポートを提供して行きたいと思います。

※1メーカー名との掛け合わせや車種名の表記ゆれも加味しています
※2ダッシュボードの右上にあるパラメーターを調整することでメーカーや車型での絞り込みができます
※3ダッシュボードの右上にあるパラメーターを調整することで表示する競合車種数を変更できます
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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