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ビッグデータから最適な店舗配置を導けるか

レポート

[アナリスト:衣目 麻里、池宮 伸次]


今回のレポートは「Yahoo! JAPAN ビッグデータレポート」と合同でお届けしています。こちらでは活用方法を中心にお届けしますので、分析手法や詳細な分析パターンはビッグデータレポートも併せてご確認いただければと思います。

インターネットに関係するビッグデータの活用先はインターネットサービスやEC事業などオンラインのものを想像しやすいですが、実際にはオフラインへのデータ活用も十分に可能です。そこで今回は、アウトレットやショッピングモール・百貨店などのフロアの改善をヤフーのビッグデータの観点から分析してみたいと思います。

■フロアの配置をデータから決めてみる?

まずは分析のために架空のショッピングフロアを作成してみました。商業ビルのファッションフロアという設定で、対象店舗は2020年の検索数上位群からファッションブランド名をランダム抽出しています。ランダムに抽出しているため現実的にはあまり存在しないようなフロアになっている点はご容赦くださいませ。ハイブランドからスポーツブランドまで様々なジャンルの店舗が存在している設定となりました。

図1:とある商業ビルのファッションフロア(イメージ)


早速このフロアを改善していきたいと思います。皆さんの中には上記ブランドに対する印象や価格帯などからブランド同士の相性を考え、配置位置やブランド自体の変更プランのイメージをすでに持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそちらをヤフー・ビッグデータでも検証していきましょう。

最初に今回の架空のファッションフロアにおけるブランド同士の相性を見てみたいと思います。ここでは例として右上に配置されている「プラダ」と他ブランドの相性を分析し、数値化および可視化します。具体的には、Aのブランドに関心がある人がBやCやDのブランドに対してどれくらいの関心をもっているかをスコア化する、という手法です。もちろん、公式サイトの閲覧データや実際の購買データなどでも可能ですが、今回は扱いやすく対象者も興味層まで幅広く扱える検索データで作成することにしました。

実際にスコア化して可視化したデータがこちらです。起点となる「プラダ」に対して相性が高いほど赤色、低いほど青色で表記しています。計算上では「グッチ」「セリーヌ」などと特に相性が良い(スコア3.5以上)ということがわかります。皆さんのイメージと近い結果になっているのではないでしょうか。

図2:「プラダ」を起点とした場合の他入居店舗との相性度マップ


こちらのデータをもとに、コンセプトとして色々なブランドと触れ合ってほしい(回遊してほしい)などの意向があれば相性度が高い赤い色の店舗を敢えて離して配置してもよいかもしれませんし、相乗効果を狙った購買促進を求めるのであれば相性度が高い店舗を近くに配置してもよいかもしれません。また、今回は購買実績のデータではなく検索データを中心に分析しているため、実際に購入してはいないかもしれないが興味をもっている方=潜在層をベースに評価することが可能ですので、来店の機会をより広げられる可能性もありそうです。

このように実際に店舗を出店する前にデータから配置換えについて意見を交わすことが出来るため、今までの手法に加えて新しい視点としてビッグデータを組み入れることが可能ではないでしょうか。

■店舗を追加するならどのブランド?

次は、この分析手法をベースに
・既存のフロアに新しい店舗を追加したい場合はどの店舗がいいのか
・相乗効果をもたらす新しい追加店舗を発見するには
についても見ていきたいと思います。


・既存のフロアに新しい店舗を追加したい場合はどの店舗がいいのか

まず、既に追加の店舗候補がいくつか決まっている場合、実際に出店前にデータを使ってシミュレーションをしてみることが可能にはなるのではないでしょうか。

突然ですが、ここでは仮に「HYKE(ハイク)」というブランドが追加出店候補となっていると仮定して、前述の手法を使って既存店舗との相性を見てみます(なぜHYKEなのかは後ほど説明致します)。前出の画像と比較しても赤い色の店舗が増えたことがわかるかと思います。

図3:「ハイク」を起点とした場合の他入居店舗との相性度マップ


また特定の一店舗との相性ではなく、フロア全体の相性、つまりフロアに存在している店舗すべてにおける総合的な相性もスコア化(フロア評価値)して見てみましょう。フロア評価値の計算方法は、①店舗Aに対する他店舗との相性のスコアを全て算出し平均をとり、②全店舗に対して①のスコア化を実施、更にその平均スコアをとる、という手法です。

図4:各店舗のフロア全体との相性度とフロア評価値

まず、最初の架空のファッションフロアの全店舗間の相性度をスコア化したフロア評価値は2.577となりました。初めに解説した通り、今回はランダム抽出された価格帯もターゲット層も異なる店舗から構成された架空のフロアマップをもとにスコア計算していますので、肌感としてはこの数値は高くないのかな? と感じるかもしれません。そこで、先ほど新規追加候補となった「HYKE」を追加した後のフロア評価値もみてみることにします。

図5:新規ブランド追加後のフロア評価値


フロア評価値が2.577から2.637に増加しています。各店舗との相性もよく、フロア評価値も上がっていることを考えると、新規追加することで集客による相乗効果を期待できるのではということが、出店前のシミュレーションからわかるのではないでしょうか。もし複数店舗が候補に挙がった場合は、何店舗か同様のシミュレーションをすることで比較検討することが可能になると思います。


・相乗効果をもたらす新しい追加店舗を発見するには

また、前述は新規出店ブランドが決まっている場合のシミュレーションでしたが、店舗を追加したいが、どのブランドを追加すればよいかわからない、といった場合のビッグデータ活用方法について触れたいと思います。

例えば、ファッションビルがある駅に訪れている人、競合ファッションビルに訪れている人、とあるファッション雑誌を読んでいるような人々......などなど訪れてほしいユーザが定まっていた場合、その人たちとブランドの相性、その人たちと既存店舗との相性の観点からより最適なブランドを見つけることができます。

図6:既存店舗を考慮した最適候補ブランド抽出


こちらは、縦軸により多くの入居店舗と相性が良いブランド候補を探すための「全体への波及効果度」、横軸により相性度が高いブランド候補を探すための「平均ブランド相性度」を散布図として計算することで、最適な店舗候補ブランドの抽出を実施しています。上記図でいうところの右上の赤枠高レコメンドゾーンが、既存との相性もよく、ターゲット層との相性もよいブランド群といえる、ということです。
この説明でお気づきの方もいると思いますが、前述突然でてきた「HYKE」というブランドはこちらのロジックの集計で高レコメンドゾーンにいた店舗でした。そのためシミュレーション結果もよい結果、となったのです。

今回はファッションブランド限定で実施しましたが、飲食店やコスメはもちろんのこと、旅行や保険店舗など対象のリストデータを用意すれば幅広くデータでシミレーションすることが可能です。
具体的には、次のような課題をお持ちの人にとって有効な分析かと考えております。


●入居店舗やテナント、フロア全体を数値に基づいて改善したい
●出店計画を立てる際に効果的な出店先を検討したい
●今どのような店舗が話題で、かつ既存店舗と相乗効果が高いのか


上記のような課題をお持ちの方はぜひデータ分析もひとつの手段としてご検討いただけますと幸いです。ヤフー・データソリューションでは、今後も分析に役立てていただける調査レポートの発信していきます。


※ 今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。
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