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緊急事態宣言が消費行動に与える影響の分析

レポート

[アナリスト:田中祐介]

新型コロナウイルスの感染拡大が進み、それによって、全国的に人々の移動が抑制されつつあります。
12月28日からはGO TO トラベル事業の全国での一斉停止、1月7日には一都三県(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)で緊急事態宣言が発令され、大阪、福岡、愛知など対象地域が増えていく状況です。
今回はそうした中で、人々の動きだけでなく、経済的な影響もヤフーのデータから見られればと考えました。

以下は、1日あたりの移動距離を基準にYahoo! JAPANカードユーザーの平均決済単価を出したものです。
一都三県に緊急事態宣言が出た1月8日から14日の1週間と昨年の同時期(2020年1月10日から16日)とを比較しました。
まず、対象期間の1日あたりのユーザーの移動距離の分布を4段階に分けて集計します。
5km未満のユーザーの平均決済単価を1として、それぞれの移動距離グループのユーザーの平均決済単価を5km未満のユーザーに対する倍率で表記しました。


2つのグラフから共通して言えることは平均決済単価は移動距離が増える毎に伸びるという事です。
移動距離が5km未満、つまりほとんど家に滞在している人の決済単価と移動距離が50km以上のよく移動しているユーザー(旅行、出張、通勤etc)を比較すると約1.3倍も決済単価が違うのです。
移動距離の分布に着目すると、昨年同時期と比較すると緊急事態宣言後は移動距離が5km未満のユーザーが大幅に増加しています。
これは、平均決済単価が低いグループの構成が大幅に増えたという事です。
つまり、移動距離が全体の決済額(消費行動)に大きな影響を及ぼしており、それは移動距離の分布の変化による影響が大きいという事です。 (今回、決済単価を相対値で固定してしまっていますが、実際は1回あたりの決済単価の変化の影響も存在するでしょう)
このように、移動距離の分布と平均決済単価の二つの軸で切り分けて分析する事は大切で、施策の効果も見えてくる場合があります。
例えばGO TO トラベル事業はこの分布を昨年同時期に戻すような動きをする施策で、同時にトラベルクーポンにより決済単価を上げようとする施策となります。
移動自体が直ちに感染拡大に繋がるかどうかは不明ですが、移動に伴う会食などで感染拡大が起きてしまっているという事で、現在のテレワーク推進・不要不急の外出自粛の流れがあります。
これは、グラフの通り移動距離が少ないユーザを増やすような施策です。
そこで、次に必要な事は、分布が集中した移動距離5キロ未満のグループの決済単価を引き上げる事ではないかと考えられます。
巣ごもり消費をより強く活性化させる事も一つの手段かもしれません。

ヤフー・データソリューションでは、今後も新型コロナウイルス感染症対策やその影響の分析に役立てていただける調査レポートの発信を行っていく予定です。

※本データは、Yahoo! JAPANが提供するアプリ上で位置情報の利用に許可いただいたデータとYahoo! JAPANカードの決済データを元に弊社が推計したものです。
今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に 提供することはありません。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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