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新機能「時系列キーワード」からみる緊急事態宣言下での興味関心の変化

レポート
[アナリスト:田村 健]

緊急事態宣言による外出自粛によって、私たちの生活は大きく変わりました。
働き方や、趣味など、新しいことに挑戦した方も多いのではないでしょうか。

今回は、DS.INSIGHT People でリリースされた新機能「時系列キーワード」を使って、自粛生活の中で、人々の興味関心がどのように変化したか?を調べてみました。


時系列キーワードについて
レポートの前に、「時系列キーワード」についてご説明します。
一言でいうと、特定のキーワード を検索している人が、他にどのようなキーワードを検索する傾向にあるか?を可視化する機能です。



こちらは、入力ワードとして「冷蔵庫」を指定した状態です。
表示されている1つ1つの点が、「冷蔵庫」を検索している人が、他に検索する傾向の強い検索キーワードです。
※特定の個人の検索履歴ではなく、統計値です。

横軸が、検索時間差、となっており、「冷蔵庫」を検索する何日前に(あるいは後に)検索する傾向があるか、を表現しています。



0日(検索起点)が「冷蔵庫」を検索したタイミングとなっています。0日より左にプロットされているものが、「冷蔵庫」よりも前に検索されているキーワードです。
「新築 外構」や「賃貸」といった、直接冷蔵庫には関係ないけど、将来的には冷蔵庫の購入検討に繋がりそうなキーワードが見てとれます。



「冷蔵庫」の検討タイミングである 0日付近をみてみると、「洗濯機」や「ベッド」といった大物の家具家電系のキーワードが目立ちます。



さらに、右側(つまり「冷蔵庫」の検討より後)になると、「カーテン」「レンジ台」「キッチンラック」といった小物系の検討に進むことがわかります。家そのもの検討 → 大物家具家電 → 小物家具家電 という順番で検索されていることがわかります。

その他、機能の詳細はこちらをご確認ください。


以下、こちらの時系列キーワードを使って、自粛生活の中で目立ったキーワードを見ていきます。

「zoom 使い方」を検索している人のその後の検索は?
外出自粛によって、テレワークへと切り替えた企業が多い中で、今回ビデオ会議をはじめて経験された方も多いのではないでしょうか。

ビデオ会議ツールの中でも、zoomの利用者が劇的に増えたようです。

この表は、「zoom 使い方」を検索してから、何時間後(何日後)にどのような検索をしているか?を表しています。 時系列キーワードの中から代表的なものをピックアップしています。使い方を調べはじめている段階では、「zoom 危険性」とあるように、安全性が気になるようです。

その後、1日〜5日の間に、カメラやマイクといった周辺機器についての検索が見られます。 検討の順番としては、カメラ → マイク という傾向があるようです。

10日後には、zoomを利用してみて動画配信に興味が出てきたのか、「インスタライブ やり方」といったキーワードも見られました。「バーチャル背景」のようなzoomにこなれてきた感のあるキーワードも見られます。

「オンライン飲み会」を検索している人のその前の検索は?
zoomやその他のツールを使ったオンライン飲み会も今回の自粛生活で多くの人が初体験されたことと思います。

この表はさきほどは逆に、「オンライン飲み会」を検索する何時間前(何日前)にどのような検索をしているか?を表しています。

「ワイン会」や「昼飲み」はまだ新型コロナウイルスの影響がなかった時期に検索されているものです。やがて、自粛ムードが高まり、「飲み会 自粛」や「コロナ 飲み会 どうする」といったキーワードが見られます。 その後、「家飲み メニュー」といった自宅での晩酌を楽しむキーワードが見られ、さらに時間が進むと「薫製 初心者 レシピ」といった手間がかかる系レシピの検索も現れ始めます。

そして、「オンライン飲み会」を検索する直前には、「コロナ 孤独」というキーワードが見られました。美味しい料理で家飲みを充実させても、やっぱりお酒は誰かと楽しみながら飲みたい、という方も多いのではないでしょうか。

「マスク作り方」を検索している人の前後の検索は?
マスクが品薄になる中、手作りされた方も多いのではないかと思います。

「マスク作り方」を検索している人の前後の検索傾向が以下です。


作り方を検索する手前の段階では、マスクを購入したいが、品薄で買えない、という状況が検索に現れています。 「マスク作り方」の直後の検索としては、「ミシンの使い方」や「マスク 生地」といった製作に関する具体的な検索が見られます。

マスクの製作から2~3日後には、「ミシン おすすめ」や「ミシン 人気」といったミシンの購入の検討をされる方もいるようです。
さらにその後、「マスク 立体 作り方」や「レースマスク」といったマスク自体にこだわるキーワードが現れ始め、マスクからさらに進化して「フェイスシールドの作り方」を検討される方もいるようです。
また、これからの季節に向けて「涼しいマスク」といった、夏用のマスクについても調べているようです。

今回は3つのテーマで調べてみました。いずれも、生活の変化や新しい経験による戸惑いと、その中でも楽しみを見つけていく様子が可視化されているなと感じました。
withコロナ時代も、新たな課題や、新しい挑戦が続くと思われますが、人々が何に悩み、どう乗り越えるのか、を今後もデータから追っていきたいと思います。

※ 今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、 個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。

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