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新型コロナウイルスの影響によって自宅でのニーズが高まった趣味・嗜好とは?
- 事例・分析レポート
5月4日に全国での緊急事態宣言が5月31日まで延長されることが発表され、あわせて「新しい生活様式」というものも政府から発表されました。 これは新型コロナウイルスの感染拡大の防止のために、人々の習慣・生活を変えるために出された指針です。 この影響もあり、世の中では新型コロナウイルス後の人々の生活の変化に注目が集まっています。
ECやオンライン飲み会、家庭での料理が増えていることは既知かと思いますが、他にどのような趣味・嗜好が自宅で行われるようになったのでしょうか。 弊社が提供するDS.INSIGHTを使って「これまで自宅ではあまり行われてこなかったような行動」に焦点を当てて分析してみたいと思います。
今回は新型コロナウイルス感染症による行動の変化が起こった今年の3月と4月で、「自宅」「お家」というワードが含まれた検索キーワードを対象とします。 わざわざ「自宅」「お家」というワードが入っている場合は基本的には「普段は家や自宅でしていないこと」が一緒に検索されているからです。 レポートの都合上、今回はツールの画面ではなく、上記結果からいくつかピックアップした内容をご紹介させていただきます。
なお、今回ご紹介するデータの一覧についてはこちらをご確認ください。
食関連
まず最もボリュームが多いのは食に関連するものです。
冒頭で述べた通り、自宅で料理するニーズが増えていることは既知であり、DS.INSIGHTでも「レシピ」が含まれれるキーワードを見ると「たこ焼き」や「パンケーキ」など 子供が喜ぶようなレシピが検索されていることがすぐにわかります。 ただし、「自宅」「お家」というワードで見てみると違った傾向が見られるようです。 まず「お家居酒屋メニュー」という検索の多さに目が行きます。それ以外にも焼肉、焼き鳥、カフェなどが増えています。
これらの検索は単に作り方を検索するというよりも、作るものが決まっていないけれどその雰囲気を味わいたくて作りたい、お店に近い本格的なものが作りたい、といったニーズの表れかもしれません。
運動関連
続いて増えているのは運動関連です。
新型コロナウイルスが流行した当初にジムで感染のクラスターが発生したこともあり、運動に関するものは3月からすでに「自宅」「お家」というワードと一緒に検索される機会が多くありました。 3月は、「筋トレ」「有酸素運動」など本格的に取り組んでいる人と思われるキーワードが多いのに対し、4月になると「初心者」「ストレッチ」「運動不足解消」など、 より入門的かつすそ野が広がったキーワードが増えているのが特徴かと思います。
趣味関連
続いては趣味関連です。
ここは大人が趣味とするようなものをまとめたカテゴリですが、ここでもいわゆる3密の代表としてあげられていたカラオケが3月から多くあり、4月にさらに検索ボリュームが増えています。 他にはアウトドア関連のバーベキューやテント、キャンプ、ピクニックといったワードが4月になって多く検索されてます。 国や都道府県から強く外出自粛要請がなされるようになった中でも、家の外で楽しむために人々に選択されたものが増えているように思います。
また、意外なところでは「自宅 サウナ」といった検索も3月4月に多くあったことがわかります。 カラオケやアウトドアに比べて自宅でのサウナは難易度が高く危険もありそうですが、やみつきになってやめられない人が一定数いるのでしょうか。
子供/習い事関連
続いて、子供や子供の習い事と思われるものをまとめたカテゴリです。
全国の学校が休校になったこともあり自宅で学習するニーズ高まっていることがわかります。 その他、「砂場」や「卓球」「プール」など自宅にいる子供を楽しませようという親の気持ちがよく表れている結果となっています。
美容・健康関連
最後に、美容・健康関連です。
緊急事態宣言後の休業要請の際に「美容院は対象か」といったことが議論されていましたが、 ヘアスタイルとケアに関しては自宅ニーズが一定程度ありそうです。また髪を切ることよりも白髪染めなどカラーリングのニーズが高いようです。 それ以外に脱毛に関しても今回の影響で自宅で処理を行うニーズがさらに増えているようです。
いかがでしたでしょうか。
このようなデータを見ると、新型コロナウイルスによって行動が制限されている状況であっても「楽しもう!」とする人の逞しさを感じるとともに、 この状況でも趣味・嗜好を続ける人々は、その趣味の何に価値を感じているのか?ということを改めて考えるきっかけとなるように思います。
例えば個人的には「居酒屋」や「カラオケ」、「アウトドア」などは友人・知人とワイワイできるからこそ楽しいイメージを持っていましたが、今回の結果を見て、
・居酒屋は出てくる料理や晩酌という行為そのもの
・カラオケは歌う行為そのもの
・アウトドアは外に出ることそのもの
に何かしらで価値を感じていた人も多いのだろうなと考えるようになりました。 もしかすると自宅で行うことに新たに価値を見出している人もいるかもしれません。
今回紹介した自宅ニーズは、新型コロナウィルスの感染拡大収束後に減少する可能性は高いですが、これまで来店してもらうことが当たり前だったいくつかのサービスは、自宅が競合となるかもしれません。 また、この事態を経験した消費者に対しては、改めて「来店することの価値」を訴求する必要があり、サービスの本質的な価値は何か?を考えておくことはとても重要だと思われます。
これら自宅でのニーズの高まりが一過性なのか継続するのかとともに、収束後のマーケティングの変化にも注目したいと思います。
ヤフー・データソリューションでは、今後も新型コロナウイルス感染症対策やその影響の分析に役立てていただける調査レポートの発信を行っていく予定です。
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