お客さまのビジネスに今すぐ役立つ、データに関する最新情報を定期的にお届けします
Withコロナ時代の美容トピックス -マスク編-
- 事例・分析レポート
新型コロナ感染拡大により生活様式が一変したことで、これまでは発生していなかった新たなニーズの誕生が起こるようになってきました。 その一つがマスクの着用による影響です。外出時には着用が当たり前になったことで、これまでは見えにくかったマスク関連の美容ニーズがビッグデータから見えてきました。
美容に関連するマスクのテーマとして、特に次の2つが特徴的に現れています
・肌荒れの悩み
・マスク下のメイク
これらについて一つ一つ解説していきたいと思います
【肌荒れの悩み】
まずは肌荒れの悩みです。
「マスク 肌荒れ」の検索数の推移を2018年からの週次でみてみましょう。
感染拡大が広がるにつれてマスク着用率があがっていったことで、マスクによる肌荒れの悩みは当然のように上昇を見せましたが、感染者数が減り緊急事態宣言が解除されたあとも検索数は減ることが無く、日増しに増えています。 着用日数が長くなればなるほど、肌荒れに悩まされる人の数がどんどん増えていっていると推察されます。 では、具体的にどのような悩みを抱えているのでしょうか? ヤフーが保有する検索データを利用したニーズ抽出分析(共起ネットワーク)の手法を用いてみてみましょう
この分析手法によって、一言で「マスクによる肌荒れ」の悩みといっても、肌荒れの症状やケア、薬などのニーズはもちろん、どのような素材や形がいいのか防ぐためのテクニックや予防方法まで、様々な悩みがあることがわかります。 そして、それだけマスクによる肌荒れに悩んでいる人が多いという査証でもあります。
その結果として、実際の症状に悩まされている人も多くいるようで、例えば次のような症状は明らかにコロナ期に入ってから急激に検索数を増やしています。
特に皮膚に触れやすく、動くことでこすれて荒れやすいためか、顎のニキビを気にする人が確実に増えています。 それ以外にも、マスクが水分やマスクを吸収してしまったり、動くことで皮膚をこするためか、カサカサやザラザラになってしまうことに悩んでいる人が多くいるようです。
その結果、当然のニーズとして「肌に優しいマスク」という存在がもとめられていることが検索数の伸びからもあきらかとなっています。
ウィズコロナがしばらく続く新生活様式の中で、マスクは手放せないものとなっています。そのためこれまでとは比較にならないぐらいマスクによる肌への影響や関心が高まっていることがこれらのデータから見えてきました。
【マスク時のメイク】
もちろんマスク着用が標準となった新生活様式の中ではメイクそのものにとっても影響を与えているようです。
まずは、コロナ期におけるメイクアイテム系ニーズのざっくりと把握してみましょう。ここでは検索トレンドマップという分析手法を用いることで、特定期間(コロナによる影響を受けた期間)において検索が増加傾向にあったのか、減少傾向にあったのかを把握することができます。
この検索トレンドマップからある特徴的な流れが見えてきました。本来は例年であればこの時期に検索数が減る傾向のないファンデーションやコンシーラ系のメイクアイテムの検索数が軒並み減少していることがわかりました。 具体的にファンデーションをアイテム別に検索傾向をみてみましょう。2018年から直近までの検索数の推移を比較してみます。
これはもちろん自粛によって外出機会が減ったことによる影響もあるかと思われますが、検索トレンドマップを分析すると例年よりも増えている美容アイテムもあり、自粛だけが要因ではないように思われます。そこで、マスクに関連する美容の悩みを分析してみると、それに関連する悩みが多く出てきます。具体的には次のようなものです。
つまり、マスクを着用する機会が増えたことでマスクにメイクが付いてしまう悩みがとても増えているのです。そのためファンデーションなどの一部アイテムニーズが影響を受けているとみられます。 またそれ以外にも汗をかいたりする影響も大きくなってきているようで、これらを総称した「マスクによるメイク崩れ」がいま大きな問題となっていることがデータからわかってきました。
メイクはしたいが、マスクをするとマスクについたりこすれたり、汗で崩れてしまう......そういう悩みが溢れています。 ではメイク崩れで悩んでいる人はどのようなアイテムに注目しているのでしょうか? ビッグデータを分析することでそのような情報を抽出することも可能です。具体的には「マスク メイクが崩れない方法」を検索している人が良く検索する美容に関連するキーワードを抽出して、その特徴スコアが高いものをピックアップします。
これらのアイテムに対する関心が高いことがわかりました。今、多くの女性がマスクによるメイク崩れで悩んでおり、それを防ぐための情報アンテナを敏感に張り巡らせている様子がここからもうかがえます。
マスクに関連した美容の悩みは上記の2つが大きなテーマとして現れていますが、それ以外にも、日焼けやマスクが直接肌に触れないシートへの需要の高まり、アイメイクのみのコツなどいろいろなニーズが分析結果からは現れており、日常的なマスク着用が美容・コスメに与えている影響の大きさが垣間見える結果となりました。
※ 今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、 個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
お客さまのビジネスに今すぐ役立つ、データに関する最新情報を定期的にお届けします